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第一生命保険 海外不動産投資に100億円
2017.10.30 11:38
第一生命保険(東京都千代田区)は20日、先進国を中心とした私募REITへの投資を行うファンド・オブ・ファンズ(FoFs)に対し、100億円の投資を決定したことを発表した。
同社によると「これまでも中長期的な収益力向上の観点から、投資対象の多様化を進めてきました。不動産投資においてもオフィス・住宅・物流等への用途分散を推進してきましたが、更なる投資分散を図るため、海外不動産へ投資対象を拡大します」とのこと。
投資にあたっては、不動産物件への直接投資ではなく、グローバルで大手の不動産投資顧問会社が運用するFoFsに投資する。複数の私募REITを組み込むFoFsに投資することで、15カ国程度、500物件以上の投資対象に効率的に投資することができる。また、不動産物件への直接投資に比べて流動性(換金性)も比較的高く、市況悪化時の損失リスクの抑制が期待できる。加えて、同ファンドはESG(Environment・環境、Social・社会、Governance・統治)の観点も考慮して投資先の私募REITを選定しており、組み入れられる私募REITはいずれも「GRESBリアルエステイト評価」を獲得している。
日本資本の海外投資は、2014年頃から大型案件への投資が目立つようになってきたが、2016年頃にようやく純投資額がプラスに転じた。日本一極集中からの脱却し、海外へ分散投資することでリスク対策とする考えが浸透している。
ファンド・オブ・ファンズとは・・・
複数の投資信託(ファンド)を組み合わせて1つのファンドとしたもの。実質的に複数の運用会社のファンドに投資することができ、リスク分散が期待できる。