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WhatzMoney 住宅ローン借り換え資産ツールを展開

2017.10.30 11:08

不動産業者向け、元バンカーが開発
 住宅ローン分野のフィンテックベンチャーのWhatzMoney(東京都目黒区)は先月22日よりリフォーム会社や住宅設備販売会社などの不動産事業者向け住宅ローン借り換え試算ツール「CalC」(カルク)の提供を開始した。

 三井住友銀行(東京都千代田区)に勤めていた前田一人氏が2015年に創業。これまで住宅を有する個人や不動産オーナー向けに住宅ローンの借り換えサイト「WhatzMoney」を展開。ウェブサイト上で「新規借り入れ」か「借り換え」を選択し、借入希望額、現在のローンの残り返済期間、金利、加えてマイホームの都道府県・市区町村を入力すると利用可能な各金融機関のプランが表示される。借り換えしたいプランを決定すると、WhatzMoneyのファイナンシャルプランナーが代理となって金融機関との交渉を開始。順調に進んでローンの借り換えが決定すると、借り手から成功報酬を徴収する形となっている。これまで実需者からのニーズはもとより、住居・テナントの複合型物件や投資用物件を購入する際に住宅ローンを使用していた投資家に利用されてきた。
 今回発表した「CalC」は事業者向けの業務支援ツールだ。住宅ローンの借り換えに成功すると、数百万円単位で浮くことも多い。既に住宅購入から8年~10年ほど経過していることがほとんどであるため、浮いた資金を元手にしてリフォームなどを実施することも多いという。今回の「CalC」はリフォーム会社や工務店、不動産事業者が使用することで、リフォームとローンの借り換えをワンストップで提案することが可能になる。代表取締役の前田氏は「リリースから1カ月余りですが、既に50社ほどに使用して頂いている」と話す。好調な滑り出しには次のような理由があるようだ。
 「リフォームを検討されているお客さまの話を聞いてみると、リフォーム予算が100万円以下の場合が多い。しかしながら、リフォームの相場は150万円~200万円。そのため、事業者は見込み客であるにも関わらず、現時点では予算が不足していることから泣く泣く断るケースも多かったと聞きます。『CalC』を利用することで、予算的に難しいお客さまにも希望沿った提案が可能になるとともに、事業者にとっても機会損失を防ぐことができます」
 「CalC」の登場は不動産事業者のサービスの拡充にもつながりそうだ。




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