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飛島建設 映像認識による現場監視サポートシステムの開発に着手

2017.11.13 12:02

カメラ・センサーで人と重機の動きを分析
 飛島建設(東京都港区)と沖電気工業(東京都港区)は、沖電気工業が開発した技術を応用した「現場監視サポートシステム」の共同開発に着手した。

 沖電気工業の技術は、複数のカメラ画像およびレーザー距離センサーにより人物と物体を認識し、その動きをリアルタイムに可視化し把握するもの。現場監視サポートシステムはこの技術を応用し、建設工事における危険エリアへの侵入や作業員と建設重機との接触を警告・防止することを目的としている。
 いまだ人の目による管理・監視が多い建設工事現場において、「機械の目」による施工管理の自動化を行い、人の目をサポートすることで、トンネル坑内のような暗く狭隘な環境下でも、より信頼性の高い安全監視が実現できるとしている。
 建設重機の稼働時における安全の確保について、従来はバリケードの設置や監視員を設置することで行なってきた。しかし狭い工事現場では人と重機の分離が難しく、死角も生じやすい。現場監視サポートシステムは監視エリア内に設置された複数のカメラと距離センサーのデータを同期・解析してエリア全体を俯瞰マップとして表現し、その上に人と重機の動きをリアルタイムに表示。死角のない鳥瞰的な視点から監視が可能になった。
 また人と重機が近寄るような危険状態を自動で感知しアラートで通知する機能や、マップ上の人と重機の動線の記録、また個々の人や重機の動線記録からそれぞれの行動・移動パターンの傾向の分析機能も搭載。安全監視のサポートを行うことで業務の効率化、監視員の負担軽減につなげる。
 目下トンネル工事における安全管理を目的に開発しているが、今後は造成工事、橋梁、ダム等の土木工事、建築工事等トンネル以外の建設現場へも展開し、また映像データを生かした品質・工程管理への応用もすすめるという。さらに人や重機の行動・移動パターンといったビッグデータにAIを導入し、作業の効率化や危険性排除も目指す。

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