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清水建設とピングラウト協議会が開発 短時間で浸透・硬化するコンクリ止水材
2018.06.18 17:01
清水建設(東京都中央区)と、防水・止水工事の施工会社などで構成するピングラウト協議会(東京都中央区)は、防水材メーカーのダイフレックス(東京都新宿区)の協力を得て、地下のコンクリート構造物に生じた漏水を短時間かつ確実に止水できる触媒添加型ポリウレタン系止水材「NLクイック」を開発し実用化した。今後、ピングラウト協議会の会員企業が手掛ける防水・止水工事での普及をすすめていく。
地下道などの地下コンクリート構造物は地下水の水圧が作用しているため、経年劣化した構造体に生じたひび割れなどから漏水が発生することが多い。清水建設とピングラウト協議会が地下のコンクリート構造物の漏水対策として開発した「スマート止水工法」は、構造物の壁厚の中心を超える位置まで削孔した穴に止水材を高圧で注入。注入された止水材は水と反応してゆっくりと発泡・膨張しながらひび割れに浸透して硬化。恒久的な止水効果を発揮するが、止水材が水と反応するまでに時間がかかるため漏水量の多い箇所での迅速な止水処置は難しかった。
今回開発されたNLクイックは、加水反応型ポリウレタン樹脂に専用触媒を追加。触媒量に応じて反応時間を制御することができ、従来の止水材の約七分の一程度の時間で処置が完了する。
清水建設とピングラウト協議会では、新止水材の普及につとめ、インフラ構造物の超寿命化に貢献していくとしている。