週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

トランスコスモス/安井建築設計事務所/応用技術 ICTによる施設管理サービス開始

2018.06.25 15:22

データ蓄積からコンサルまで3社協業でワンストップ化
 安井建築設計事務所(大阪市中央区)とトランスコスモス(東京都渋谷区)、応用技術(大阪市北区)は、ビルオーナー・ビル運用会社などに向けたICTによる施設マネジメント・ワンストップサービスの提供を18日より開始した。
 安井建築設計事務所は医療施設やオフィスで施設マネジメントサービスを提供した実績を踏まえ、IoT環境センサーと建物3次元モデルを連携させた国内初の建築マネジメントシステム「BuildCAN(ビルキャン)」を構築。このシステムは同事務所が大学と共同開発した既存の建築情報マネジメントシステムをベースに、空間の快適性やエネルギー低減のための環境管理機能を加えたものである。管理対象は清掃・修繕・改修・保守点検など各履歴に加え、IoT環境センサーによる照度・温度・湿度・CO2などの監視と分析、仕上材料や設備機器情報、図面や連絡網などに及び、これらをクラウド上でバーチャル建築モデルと有機的にリンクさせることで建物の現状や経年変化をとらえることができる。
 一般的に施設マネジメントの要件は多岐にわたり、クライアントのニーズもそれぞれ異なるが、「ビルキャン」はそれらのニーズに対し的確に応えることが可能である。安井建築設計事務所がクライアントの要件を整理して全体をマネジメントし、応用技術はよりきめ細かく対応するためのシステムカスタマイズサービスを提供、トランスコスモスが施設モデルの2次元から3次元への初期データ移行やデータの維持・更新を行う。さらに、データ分析結果から今後の施設投資に関するコンサルティングサービスなどは安井建築設計事務所が担当する。
 3社は今回のサービスにライフサイクルコストのデータなどのAI分析システムを融合させることで、バーチャル上で建物の将来予測を可能にする「建築のデジタルツイン・サービス」を開発する予定で、今回はその第一ステップと位置付けている。今後も建築投資の適正化などのコンサルティング技術について、アライアンスパートナーとして発注者の多様なニーズに応えるとしている。




週刊不動産経営編集部  YouTube