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日翔レジデンシャル 築古物件を仕入れ・再生 地域活性、投資魅力も増

2018.08.20 16:52

限られた費用でリノベ物件、エリア価値増大
 人口減少が加速していくなかで、築古物件の再生は急を要するテーマだ。
 仕入れ・再販事業を展開し、年間50棟ほどを販売する日翔レジデンシャル(東京都品川区)。レジデンスからビル、建て売り用地まで幅広く取り扱う。他社では取り扱いを避けるような、再建築不可物件や事故物件などにも積極的に手掛ける。同社が理念として掲げるのは「社会にある問題を、不動産を通して解決する」。築年数の経過とともに入居率が下がり低稼働となったものを、再生していくことはひとつ「使命」でもあるようだ。
 同社の再生物件は「尖っている」ことが多い。代表取締役の後藤正樹氏は「私自身、これまで16回ほど引っ越ししてきて、その経験に基づいて話すと」と断り、次のように続けた。
 「入居者にとって、建物の外観や物件名称は第一印象になるので重要です。たとえばこれから改装予定の『サンモール鳥居』は海に近いことからブルーを基調にする予定です。このようなことが新しい入居者の目を惹き、投資家にとっても魅力的な案件になります」
 このような再生は地域活性化にも寄与している。
 昨年12月1日に外壁改修工事を終え、リニューアルオープンを果たした「レアールつくの商店街」内にある1棟ビル。後藤氏によるとこの商店街はかつて工場ワーカーなどで賑わいを見せていたが、近年は人の回遊が減少傾向にあったという。最寄り駅である「鶴見」駅から徒歩15分と距離があることも難点だった。
 「この案件では地域活性化というテーマが前面に出ました。7店舗が横に並ぶ同ビルはほぼ満室に近い形でしたが、現状のままではいずれ空室に困ることが目に見えてました。そこでこの物件では『歓迎』をデザインコンセプトに据えて、外壁やエントランスの改修を行いました。白地の外壁には英語の"Welcome"やハワイ語の"Aloha"、アイスランド語の"Velkomin"などをはじめとした世界中の様々な言語の『いらっしゃいませ』や『こんにちは』、『ようこそ』をデザイン化しちりばめました」
 物件にも街にも効果のあるリノベーション。ただ投資物件として再販する以上、費用は限られてくる。
 後藤氏によると「リノベーションなど改装にかける費用はおおよそ300万円ほど」。こだわれば天井知らず。最小のコストで最大の効果を出すためにも、取捨選択は欠かせない。

国内外投資家注目 首都圏で地盤築く
 投資家からの注目度も高い。同社では最近、海外からの投資家による購入も増えているようだ。
 「自社で台湾人投資家向けのサイトを展開していますが、他の仲介会社からの紹介も多くあります。日本不動産への注目の高さはもとよりですが、投資物件として評価をいただいているとも感じています」(後藤氏)
 同社では今後も東京を中心とした首都圏で地盤を築いていくとする。
 昨今は金融庁からの規制により、新築のアパートローンが絞られている。そのなかで中古物件の再生案件は今後、投資家からのニーズは高まりそうだ。




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