週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
竣工迎えた「日本生命浜松町クレアタワー」
2018.09.10 11:05
先月竣工を迎えた、都営大江戸線・浅草線「大門」駅直結の「日本生命浜松町クレアタワー」。今月3日には内覧会が開催され、多くの業界関係者が同ビルの内覧会に足を運んだ。
「日本生命浜松町クレアタワー」は、日本生命相互保険(大阪市中央区)と大林組(東京都港区)が事業主となって開発した複合ビル。規模は地上29階地下3階となっており、オフィス、店舗、カンファレンス、駐車場などで構成。オフィスエントランスは1階で、地上4階~地下3階までの低層階は店舗を中心とした商業施設のフロアに仕上がっている。特に注目すべき点は同ビルのオフィス環境。フロア全体の貸床面積は2457㎡(約743坪)で、多彩なオフィスニーズに応える3方面開放のメガフロア。41の空調ゾーンごとに運転、停止、冷暖房切り替え、温度設定も可能となっており、快適なオフィス環境の提供に加えて空調の省エネ化も実現している。高遮断熱のLow―e複層ガラスや自動調光制御付きLED照明も採用し、建築物総合環境性能評価システムCASBEEでは最高ランクSを取得している。
また年々重要視されているBCPにおいては、電源供給体制において3回線スポットネットワーク受電方式を採用。一系統が停電しても別系統から電源供給が可能で、ビル用非常用発電機やコジェネレーションシステムによって、72時間ビル機能を維持できる。更に海に近い立地環境でもあるため、万一の浸水リスクにも対策を施している。例えば中間階機械室。非常用発電機やコジェネレーションシステムを含む機械設備を7~8階に設置。ビルの出入り口には防潮板(高さ50cm)を導入した。
オフィス以外の機能性としては、カンファレンスの設置も注目度が高い。640㎡のコンベンションホールから、小規模の会議室まで開催内容に合わせて選べる多彩なカンファレンス施設を完備。国際会議や研修会、展示会などにも応えることができる。また羽田空港へのアクセスに優れている点や新幹線利用ができる品川駅にも近いため、オフィスだけでなくカンファレンスの利用ニーズも高いと思われる。今後は資生堂ジャパンや朝日放送の東京支社が移転する予定もあり、浜松町を代表するシンボルタワーが誕生したかたちだ。