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イタンジ GA完全子会社化、新社長就任 法人向けサービス強化へ
2018.11.26 18:21
イタンジ(東京都港区)は16日、GA technologies(東京都渋谷区、以下「GA社」)との間で株式交換を実施、完全子会社となった。これに伴い新社長に野口真平氏が就任。今後の事業戦略としてはBtoB向けサービスの強化を図っていくとともに、新サービスの開発にも注力していく。
―16日に株式交換が実施され、新社長に就任された。今回の子会社化の理由について。
野口 今回、GA社の子会社となった理由は大きく2つ。ひとつは、GA社がこれまでコンシューマー向けのサービスに強みを持って展開し、当社は法人向けのサービスに強みをもって事業を展開している。この2社が連携して事業を展開することでより強いインパクトを発揮できるとの考えで合意した。もうひとつはイタンジとして更なる成長を実現していくなかで、GA社のリソースを活用していくことが必要不可欠だという認識がある。GA社は不動産管理を除いて、仲介や保証サービスを持っている。それらの事業は当社サービスの成長において、非常に有益だと考えている。
―「法人向け」の強化を打ち出されている。既存のサービス強化を含めて、今後の展望は。
野口 引き続き既存サービスの強化に勤めていきたい。先般、「内見予約くん」の仲介店舗登録数が1万件を突破した。サービスが広がりを見せるなかで、機能の強化にも取り組む。加えて、不動産売買やホテル向けの新サービスの開発にも努めていきたい。
―御社とGA社の共通の目標として「賃貸3.0」を目指していくというコンセプトを出している。これは具体的にどういう構想なのか。
野口 たとえば不動産業界は賃貸にせよ売買にせよ、様々なプレイヤーが介在している。それによってコスト増加なども生じている。具体例は仲介手数料だろう。これを当社、GA社の双方が培ってきたデータや技術を活用することでオンライン完結型の賃貸サービスが可能になる。この実現に向けて既存サービスの深堀りおよび新規開発を進めていきたい。
―不動産テックは盛り上がりを見せていると思うが、実感としてはどうか。
野口 小売業界で「アマゾンエフェクト」という言葉がある。アマゾンを代表とするECの発達が業界を激変させていることを指すが、それでもアマゾンは小売業界の2%ほどを占めているに過ぎないと聞く。不動産テックはまだ初期の段階。それでも業界内では注目度合いが高い。あと5年もすれば、不動産テックはより台頭していくと考えている。
―海外事業者の進出はどうか。シェアオフィスではWeWorkが進出し、大きなインパクトを与えている。
野口 広くテック領域でみるならば、いくつかの会社はすでに日本市場に進出している。しかし、当社の事業領域というところで進出している会社は見当たらない。