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アイルビーの「自習カフェ」 社会人向けの自習室で未活用ビルを収益に繋げる

2019.01.08 14:21

 昨今、未活用のビルの一室を社会人向けの自習室へと生かして収益に繋げるケースが増えてきていことを御存知だろうか。アイルビー(大阪府吹田市)が展開する自習室のブランド「自習カフェ」もその一つだ。
 2013年に誕生した「自習カフェ」は現在大阪で14拠点。利用者は主に資格取得などを目的とした社会人で、2~3カ月ほど利用する傾向が多い。年々着実に拠点数を増やしており、その背景には「社会人が集中して勉強できる環境が少ないこと」や「キャリアチェンジにおける勉強のニーズの高まり」が挙げられる。
 「自習カフェ」は、主に築古かつ駅からのアクセス性や立地等に恵まれていないテナントビルでの導入で収益に繋げた実績が多く、坪8000円の売上げが坪1万8000円になったケースもあるほど。施設の運営は同社に委託し、売上の一部をビルオーナーに支払うシステムとなっている。椅子や机といった家具をオーナー自ら用意せずとも開設でき、自身で貸会議室やシェアオフィスを開設するよりもリスクは少ない、開設後の固定費も発生しないなどのメリットが特長だ。
 代表取締役 社長の柳原忍氏は「『自習カフェ』は、オフィス街だけでなく住居エリアでも機能致します。利用者は主に自身が働く職場から自宅までの動線上にある施設を使用するケースが多く、喫茶店や図書館で勉強するよりも集中できると好評です。また『自習カフェ』を導入したテナントビルでは、2・3年ほど空室に困っていた場合も珍しくありません。その様な物件でもしっかりと収益に繋げることができたことから、築古の狭小ビルでも効果はあります」と語る。
 アイルビーは今後、パートナーシップ制度の開始を全国規模で予定している。ビルオーナーに運営・顧客管理システムなどのノウハウを提供し、かつ集客面の対応も行う予定だ。貸会議室やシェアオフィスと違い、エリアに偏りなく展開出来ることから地方・郊外でも普及する可能性が高い。柳原氏は「気になったらご連絡下さい。パートナーシップ制度について聞くだけで、これまで未活用のテナントビルで困っていたことも解決いたします」と語った。




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