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国際企業 温浴施設に「コワーキングサウナ」リフレッシュしながら仕事できる環境

2019.01.15 14:40

 コワーキングスペース、シェアオフィスが数を伸ばす。そのなかで温浴施設でも「コワーキングスペース」ができた。その名も「コワーキングサウナ」。なぜこのような施設に執務スペースが誕生したのか。その背景に迫った。
サウナワーカーとは 意外な需要あり
 拡大するシェアオフィス・コワーキングスペース市場。大手デベロッパーや外資系企業の参入が相次ぐ中、意外な事業者も参戦した。
 国際企業(横浜市西区)が運営する温浴施設「スカイスパYOKOHAMA」内にて2018年11月9日に「コワーキングサウナ」をリニューアル開設した。コンセントや執務スペース、また簡単な半個室も用意。温浴施設利用者は自由に空間を利用することが可能となっている。
 これまでコワーキング施設はオフィスビルなどの一角に開設されることが多かった。温浴施設内で開業するのは稀だ。
 なぜ今回、このような「挑戦」をするに至ったのか。そこには意外な親和性があるようだ。
 販売促進広報課チーフの大智由実子氏は「これまでも温浴施設内でちょっとした作業をしたいという需要はありました」と話す。なぜなのか。
 「当施設は横浜駅至近の『スカイビル』14階に位置しています。オフィスビル内にあること、ターミナル駅の近くにあることなどから、ビル内テナントや近隣のワーカーの方、また周辺に来た営業の方も仕事の合間や終業後にいらっしゃることが多くありました。入浴後にレストランで軽飲食を楽しまれるのですが、そのときにノートパソコンを開いて作業をされる方が多く見受けられました。そのニーズに応えていこうと最初はレストランの全席に電源を設置しました」
 このようなニーズが背景としてある。かつて「ノマドワーカー」がオフィスではなくスターバックスでノートパソコンを開いて仕事していた。今は「働き方改革」の旗の下にオフィス内にソファやリフレッシュスペースを設けている。オンとオフを切り替えられる環境をつくることで、ワーカーの生産効率性を高めようというのが狙いだ。
 そして「スカイスパYOKOHAMA」は次への布石として、「コワーキングサウナ」の取り組みを開始した。
発案は利用者から 他施設との「差別化」にも
 「コワーキングサウナ」の発案者は施設の常連利用者の、コクヨエンジニアリング&テクノロジー東日本SE2部部長兼サウナ部部長の川田直樹氏だった。同氏自身サウナでリフレッシュしてから、ノートパソコンを開いて作業したり、アイデアを練ることを好んでいるという。その証は「サウナ部部長」という肩書だろう。
 「川田氏から提案を受けたのが『コワーキングサウナ』の構想の始まりでした。当社としても需要はわかっていたため、話はまとまり、改修の具体的な段取りへと入って行きました」(大智氏)
 実際「サウナワーカー」は増えてきているようだ。たとえば経営者のなかにはサウナ室に入る前に1つ意思決定すべきテーマを持ち込み、インターネットに接続しない環境で考え抜く「DeepWork」の場所として活用する人が増えてきているという。「サウナ部」も広がりを見せている。リニューアルを記念して11月13日に開催された「Tokyo Sauna Work Design Week」の第三部では「働き方改革で『会話減った』職場~なぜ部長たちはサウナに吸い込まれたのか~」をテーマにしたディスカッションを実施。先の川田氏含め、4人の登壇者は全員「サウナ部部長」の肩書をつけていた。
 では運営者側の戦略としてはどうか。大智氏は「他の温浴施設と比較したとき、コワーキングスペースを設置しているところは恐らくないのではないか。そう考えれば、駅近オフィスビル内という立地も合わせて、大きなアドバンテージになる」と声を弾ませる。
 そしてコワーキングスペースやシェアオフィスとの差別化。ここについても「サウナでリフレッシュして、作業して、疲れたらまたサウナでリフレッシュできる。この環境を提供できるのは『スカイスパYOKOHAMA』ぐらいではないでしょうか」と強調する。
 現在、コワーキングスペースの席数は80席。「利用者の増加には当然対応していくことになるし、ニーズのあるものについては積極的に取り入れていきたい」と次の一手も準備している。
 今後の展開を注目するとともに、コワーキングスペース・シェアオフィス運営者はここからもヒントを得たいところだ。




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