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清水建設 木質構造を採り入れた中層集合住宅を着工

2019.01.15 14:35

 清水建設(東京都中央区)は、名古屋市内に建設する中層集合住宅に、中大規模の耐火建築向けに開発したハイブリッド木質構法「シミズ ハイウッド」、木質耐火部材「スリム耐火ウッド」を初適用し、工事に着手した。
 木質構造とS造、RC造の自由な組み合わせを可能にしたもので、今回は耐震性や耐火性、遮音性等を確保するため、木質構造とRCの最適な組み合わせを追求したという。
 工事を開始した中層集合住宅は清水建設のの社有社宅として計画され、地下1階が駐車場、地上4階が26戸の住宅となる。規模は、建築面積799㎡、延床面積3152㎡、竣工は2020年2月の予定。設計にあたっては、構造体や内・外装の仕上材として計173m3もの木材を採用し、木質の居住空間の創出に努めた。こうした取り組みが評価され、国土交通省から2018年度の「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されている。
 基本的な構造は、地下1階の柱頭部に設けた11基の免震装置上に、幅50・5m、奥行き17m、厚さ90cmの人工地盤を築き、その上に4階建ての建物を載せる架構になっている。そのうち木質構造部は、建物長辺方向の外周に位置する梁56体と柱28体、間柱56体、各住戸内に原則2体ずつ配置する耐震壁57体。これらの柱・梁の接合部には「シミズ ハイウッド」の核となるプレキャストコンクリートの接合部材(PCa接合部材)を用いて一体化する。
 清水建設では、今後、木材利用のニーズが高まることが予想されることから、引続き建造物を木質化・木造化する技術開発に取り組むとしている。




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