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三菱地所 清掃ロボット「ウィズ」実証実験公開 大手町パークビルディングなどに導入予定

2019.01.28 16:30

 人口減少が長期トレンドとなるなかで、ひとつの解決策となるのがロボットの活用。最大手の一角をなす三菱地所が「ウィズ」の実証実験を公開。4月からの本格導入を目指す。

 三菱地所(東京都千代田区)はソフトバンクロボティクス開発のAI搭載のバキューム清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」の日本初導入を11日に発表。22日に報道陣に公開した。
 「ウィズ」は1時間で500㎡清掃することができ、1回の充電で約3時間1500㎡を自律清掃できる。このような高い清掃効率や設定の簡易性、自律走行の柔軟さなどが特長として挙げられる。  ソフトバンクロボティクスでは「ウィズ」を昨年11月に発表。同社の展開する自動運転清掃・洗浄機向けサービス「AI清掃PRO」の対応機種の第2弾となっている。
 今回の導入について三菱地所ビル運営事業部兼経営企画部DX(デジタルトランスフォーメーション)推進室の渋谷一太郎氏は「人口減少がトレンドとなりビル管理人材の確保が厳しくなってくるなかで、当社はこれまでも検討、実証実験を行ってきました」と話す。既に同社では清掃ロボットでは「RS26 powered by BrainOS」(ソフトバンクロボティクス)を導入。また現段階で「swingobot2000」(シーバイエス)、「Neo」(マクニカ)、「クリナボWET TYPE」(日本信号)の導入を検討している。「これらロボットを活用して街づくりに生かしていきたい」と意気込みも語る。
 「ウィズ」の実際の動作はどうだろうか。
 「ウィズ」を扱うにはまずティーチングから始まる。手押しして清掃エリアの地図データを作成・記憶し、その後自動清掃となる。複数のセンサーがついていて、万一障害物や人などが出現しても検知することで回避しながら走行する。大手町パークビルディングの共用廊下は500㎡のため、1台使用の場合には1時間で清掃を終えることができる。
 また清掃箇所によっては汚れがたまりやすい場所もある。その場合にはハイパワーモードを使用することで重点的に清掃することも可能。ハイパワーモードの場合、1回の充電で2時間となるが、ひとつの清掃エリアでノーマルモードとハイパワーモードを併用することができる。「ティーチングの際にハイパワーモードで行う箇所を指定すれば、『ウィズ』がそれに従って実行してくれます」と渋谷氏は話す。
 今後の導入予定はどうだろうか。
 「4月より『大手町パークビルディング』での導入していく予定です。また3月に開業を予定している下地島空港や静岡空港での導入も予定しています。その後の導入計画に就いては、効率性などを鑑みながら検討していきます」
 ロボットの活用を進める三菱地所。足もとでは各デベロッパーが清掃ロボットの導入を進めているが、人手不足は清掃スタッフだけではない。同社が描く未来の街のあり方に期待が集まる。




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