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ニッソウ 「入居改善ロボット」をスタート 無料でサービス提供来月4日から

2019.05.13 17:31

 不動産オーナーにとって悩ましい問題となっている人口減少。郊外・地方では空室率が高まり、空き家も顕在化。都心部においても安泰とは言い切れないのが実情だ。先の見えない賃貸経営。まずは所有物件の「健康診断」をしてみるのも一策だ。

 不動産物件のリフォームを行うニッソウ(東京都世田谷区)は来月4日から「入居率改善ロボット」のサービス提供を開始する。「オーナーや不動産会社が物件の改善、価値向上に役立ててほしい」という思いからで、サービスは無料で提供される。
 長期的な人口減少トレンドに陥っている日本。「平成」の30年間でも子どもの数が787万人減となった。国立社会保障・人口問題研究所が2017年に発表している統計では2059年に人口が1億人を割ると予測している。
 不動産業界にとっても深刻な問題だ。空き家は足もとで1000万戸を超えていると多くの関係者が予想。賃貸物件の空室率も「地方」や「築古」の物件で高まっている。
 「入居率改善ロボット」を開発した代表取締役社長の前田浩氏はきっかけについて「オーナーの意識を変えていくこと」だという。「当社は入居率改善のためにリフォームを提案・施工していますが、一方で家賃をディスカウントしたり、フリーレント、AD、あるいは家具つきにするなどオーナーができることは多くあります。今回の『入居率改善ロボット』を通して、所有物件の健康診断として役立ててほしい」。
 このサービスはインターネットのサイト上で15目の質問に答えるだけ。点数評価して様々な提案を行っていく。このサービスを利用するのに登録などは不要。「集客につなげていくことは考えていない」という。
 「あくまで『第三者の目線』として利用していただきたいと思っています。当社は全国の不動産会社1575社と連携していて、様々なノウハウ・知見を共有しています。そこにリフォームの知見を組み合わせることで、オーナーにより良い賃貸経営に向けたアドバイスを行いたい」
 このようなサービスを展開することでオーナーへの認知度をより高めていく構えだ。




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