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安藤ハザマ AI活用の建設ナレッジシステムを開発 建設エンジニアのノウハウを活用
2019.06.10 14:14
安藤ハザマ(東京都港区)とユニアデックス(東京都江東区)は、経験豊富な建設エンジニアのノウハウをもとに、人工知能(以下AI)を活用した建設ナレッジシステム(特願2019―018585)を開発し、このほど建設工事での実証を開始した。
開発にあたって両社は、暗黙知として存在している「ノウハウ」を、多くのエンジニアが自由に活用できる「ナレッジ」として形式知化することに取り組んだ。
具体的には、施工記録文書に対し、人間が日常生活で使う会話や文章をコンピュータで処理できるようAIを用いた自然言語処理によって、文書に含まれるノウハウを抽出した。それを自動分類した後、重要度に着目したスコアリングを行ってナレッジ化した。これにより、適切なタイミングで必要なナレッジを引き出すことを可能にした。
今回開発したシステムは安藤ハザマが持つ施工管理技術と、ユニアデックスが保有するAIコンサルティング力とを融合させたことで実現した。
共同実証実験のモデル工事は、安藤ハザマで施工中の国内山岳トンネル工事。当該工事の担当エンジニアが持つ「ノウハウ」と開発システムによる「ナレッジ」とを組み合わせて適用した結果、施工計画を立案するに際して精度の高いリスクマネジメントが実施できたという。
安藤ハザマは今後、同システムの適用範囲を他の土木・建築工事へも広げる予定。熟練エンジニアから若手エンジニアへの円滑な技術伝承を目指す。