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日本ユニシス 設備点検をIoTで業務効率化 遠隔地から指示・アドバイスが可能

2019.07.01 14:12

 ビル・マンションの管理・メンテナンス業界では人材不足や人材の育成が大きな課題となっている。そんな中、日本ユニシス(東京都江東区)は、IoT技術を活用しビル・マンション管理の設備点検業務を効率化し、コスト削減を図る新サービス「まるっと点検」の提供を開始した。
 ビルやマンションの管理業務において、各種法定点検で作業員がチェックするポイントは多岐にわたる。こうした業務は作業員が現場を訪れ、目視でメーターなどを確認し手書きで作業表に記録。その後、事務所に戻って報告用のレポートに手書きで記入するという、紙ベースでの情報管理が一般的であった。この従来型の作業は煩雑さを助長し作業員の大きな負担となっていたほか、紙資料が膨大となり保管スペースが必要となる、過去の資料の閲覧に時間を要するといった問題が生じていた。また昨今は「働き方改革」の機運の高まりによって、ビル・マンション管理の現場においても作業の効率化が求められるようになっている。
 日本ユニシスではこれらの課題を解消する新サービスとして「まるっと点検」を開発。試験運用期間を経て今回のサービス提供にこぎつけた。「まるっと点検」は、設備にセンサーを取り付け遠隔で監視する「まるっと点検モニター」、タブレット端末を用いて点検結果を入力及び報告書の作成を行う「まるっと点検リポーター」、小型カメラとディスプレイを搭載したスマートグラスで遠隔地からの指示やアドバイスなどを行うことのできる「まるっと点検コミュニケーター」の、3つのサービスメニューで構成される。日本ユニシスの開発担当者は「まるっと点検」の特長について次のように話す。
 「ビル・マンション管理業界では人材の確保や育成が大きな課題となっています。『まるっと点検』は紙ベースを中心としたアナログな作業から、タブレット端末やスマートグラスを用いた作業のデジタル化を、従来の作業の感覚から大きく変えずスムーズに移行できるよう配慮した商品設計に注力しました。遠隔地でも現場の状況がリアルタイムで把握できることから、新人作業員でもベテランの指示のもと落ち着いて作業にあたることができ、作業品質の均一化にも貢献します」  同社ではビル・マンション管理を行う企業へのサービス提供を積極的に進め、年間200億円の売り上げを目指す。

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