週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」着工
2019.08.13 18:23
森ビルと日本郵便、郵政飯倉ビル跡地など8万㎡超の複合開発
虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合が推進する「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」は、5日に起工式を執り行い、着工した。
同事業の対象地区は、港区虎ノ門5丁目の麻布台1丁目及び六本木3丁目の約8・1-。東京メトロ日比谷線「神谷町」駅および南北線「六本木一丁目」駅の双方からアクセスができ、隣接する「アークヒルズ 仙石山森タワー」を始めとする計画的な街づくりが進められてきたエリアに近い。麻布通り、外苑東通り、桜田通りにも面しており、住居やオフィス、店舗、ホテルなどの様々な用途の物件を複数棟建設する計画だ。現時点でA街区は、地上64階地下5階で高さ325mの複合棟。B-1街区は、地上64階地下5階で高さ262mの住居棟。B-2街区は、地上54階地下5階で高さ237mの住居棟を検討している。
「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業」は、1993年に再開発準備組合が設立され、2017年に都市計画決定。昨年の再開発組合設立を経て、今月5日に着工を迎えた。ちなみに同事業の竣工は2023年3月を予定する。参加組合員は、森ビル(東京都港区)や日本郵便(東京都千代田区)など。再開発組合は同事業の推進により、居住機能と商業・業務、文化、教育などの各機能が複合した、国際性豊かで安全・安心な緑のある複合市街地を形成し、東京の国際競争力強化を目指す。
5日の起工式及び祝賀会には、約615名の主席者が参加。冒頭に同組合理事長の曲谷健一氏が登壇し、「虎ノ門・麻布台地区は、平成元年に街づくり協議会を、平成5年に準備組合を設立し、平成の30年をかけて活動してきました。平成29年9月の都市計画決定の後、組合設立と権利変換計画の認可を経て、およそ2年で着工を迎えることができたのは、ご列席の皆様のご指導とご支援の賜物と深く感謝申し上げます。特に森ビル様には、個々の権利者1件1件と向き合ってご対応いただいたほか、町会や神社の活動にも一緒に参加いただくなど、当事業を永きにわたって引っ張っていただいた。その熱意と粘り強さに感謝し、この場をお借りして御礼申し上げる」と述べた。
また森ビルの辻慎吾社長は「当事業は、森ビルにとっても特別に思い入れの深いプロジェクトであり、これまでの都市づくりの中でも難易度の高い、だからこそ挑戦しがいのあるプロジェクトです。前会長の故・森稔も最後の最後まで、当プロジェクトのことを考えておりました。多くの皆様と長い時間や大きな夢を共有しながら進めてきた都市づくりが、今まさに現実のものになる。そう思うと、誠に感無量です。これからは様々な機能を高度に組み合わせた、安全で安心な街を創り出す。そして、ここに世界の企業や人々を集め、国際色あふれるコミュニティを実現することで、東京の国際競争力強化に貢献できるものと考えております。森ビルも最強の布陣をしき、社運を掛けて取り組んで参ります」と語った。