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TKP 台湾リージャスを子会社に アジアでお事業展開を本格化
2019.10.07 14:50
現14拠点から6年で50拠点目指す
ティーケーピー(東京都新宿区、TKP)は9月30日付で、同社の特別目的会社を通じて台湾におけるリージャス事業を運営する現地子会社計13社の株式全てを取得し、子会社化する手続きを完了したと発表した。連結子会社化は11月の予定だ。
買収の理由については、基幹事業の堅調な成長と5月に取得した日本リージャスとの事業統合シナジーをさらに拡大するため、フレキシブルオフィス市場で拡大を続けるアジアの需要を踏まえ、台湾リージャスを子会社化したとしている。
TKPは国内外402拠点、9917室の貸会議室、レンタルオフィス、コワーキングスペースを展開している。海外では、2010年にアメリカ合衆国・ニューヨークのタイムズスクエアで貸会議室事業を開始。2016年からは同国ニュージャージーでホテル・宴会場・レストラン・カフェテリアを運営している。
台湾リージャスは、台湾国内で計14拠点を展開。同国レンタルオフィス業界で最大のネットワークを持つ最大手企業だ。2008年に事業を開始し、「Regus」、「SPACES」、「HQ」の3ブランドでレンタルオフィス、コワーキングスペースなどを運営している。今後は台北都市圏を中心に展開を進め、現在の14拠点から6年を目処に50拠点の開発を計画。併せて会議室事業についてもリージャスの拠点拡大とともに36拠点の展開を計画している。今後は積極的なリージャス事業の拠点開発と会議室事業の展開を図り、3年後には売上高約23億円、EBITDA約6億円を見込む。
TKPは今期の2020年度から2022年度までの3年間の新中期経営計画を発表しているが、基幹事業の堅調な成長および日本リージャス、台湾リージャスの取得により、経営にさらに弾みをつけたい考え。
中期経営計画では、貸会議室・宴会場・レンタルオフィス・コワーキングスペース等のフレキシブルオフィスや宿泊施設の需要が引き続き旺盛であることから、最終年度2022年2月期業績は、売上高793・26億円(前回公表対比3・2%増)、EBITDA183・13億円(同9・3%増)、営業利益124・71億円(同10・2%増)、経常利益119・18億円(同11・4%増)、純利益64・06億円(同0・8%増)を見込んでいる。国際間で企業価値を評価しやすいEBITDA(キャッシュベースの本業利益)を最重要指標として、2022年2月期に売上高比23%を目指す方針だ。
また、発表済みの公募増資・株式売り出しにおいても、調達額は最大242億円を予定。財務安定性を高めるとともに、国内外の事業、特にアジアでの展開の加速を目指す。