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大和興業 「馬車道大津ビル」外装工事続行中

2019.10.07 14:38

横浜市の歴史的建造物 来年中の完了を目標に
 大和興業(横浜市中区)が所有する「馬車道大津ビル」では、2017年より外装工事を実施している。
 横浜市より歴史的建造物に指定された同ビルは、竣工から実に83年もの時が経つ。昨年8月より約3カ月間に渡り、外装「表」面のタイル貼り工事が実施された。現在は、外装の「裏」と呼ばれる陽の当たらない壁面のタイル貼り工事を実施中。足場を組んで作業のできる表面の外装工事とは違い、裏面は空間が狭く足場が組みにくいためロープを使い地道に作業を進めている。専務取締役の大津綾乃氏は「以前よりお世話になっている業者に工事をお願いしています。ロープを使用してのタイル張り替え工事が行える業者はなかなかいないので、助かっています。また、狭い場所での工事ということもあって作業をするのは一人だけ。その方が毎日、少しずつタイルの貼替を進めてくださっています。時間はかかると思いますが、来年中に完成できればと思っています」と語る。
 また、工事の終わった外装表面の壁を見ると、工事以前の古いタイルがそのまま残されている箇所が確認できる。これについて大津氏は「貼り替えるタイルは最低限とし、傷みの少ない竣工当初のタイルを極力残すようにしています」という。歴史ある同ビルならではのこだわりが感じられる。
 横浜の歴史とともに歩んできた「馬車道大津ビル」。大津氏は「横浜市がIRの誘致を行う場所として立候補した山下ふ頭の周辺は、当社からとても近い。それに付随して、この近辺の街並みも変わるのではないかと思っています。横浜市庁舎の移転なども含めて、ビル周辺の今後の不動産事情がどう変化していくかが気になっているところです」とした。




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