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シリコンバレー発の警備ロボット「Nimbo」普及へ

2019.10.21 14:20

 全日警(東京都中央区)とCBC(東京都中央区)は16日、米国のTuring Video(チューリングビデオ)社が開発した新しい警備ロボット「Nimbo(ニンボ)」の販売に向けて、業務提携を発表。また同日、メディア向けに「Nimbo」の製品発表会も開催した。
 「Nimbo」は、2017年にシリコンバレーにて設立されたテクノロジーベンチャー企業チューリングビデオ社が開発した巡回警備ロボット。世界初の人が乗れるロボットで、電動立ち乗り2輪車「セグウェイ」のように使用できる。もちろん、一般的な自動巡回式の警備ロボットとしても使用が可能。スマートフォンで簡単に操作でき、警備エリアにおけるマップ作成や巡回ルートの作成・変更もできる。またリアルタイムで巡回映像が確認でき、双方向映像や音声通信機能、テキスト読み上げ機能なども付いている。従前の警備ロボットに見られた、初期導入の際の巡回ルート作成や技術者による設定等々の手間はなく、AI機能が搭載されているためバージョンのアップデートも容易に可能。現状の警備業務の効率化に最適だ。
 製品発表会の冒頭では、全日警・常務取締役営業本部長の佐藤修一氏が登壇し、現状の警備業界における課題について語った。
 佐藤氏は「全日警の主な警備事業は、オフィスや商業などのビル警備。羽田空港や関西空港などの空港保安警備。東海道新幹線の沿線警備・列車警備。東京ドームや甲子園球場などにおけるイベント施設や雑踏の警備などです。これら業務の現場では現在、少子高齢化による人手不足をはじめ、長時間労働の是正、東京オリンピックなどに向けた警備業務のニーズ拡大、警備コストの増加などが課題として挙げられ、業界全体で改善に向けて取り組んでおりますが、現状では厳しいものが御座います。また警備ロボットを積極的に導入する事例は増加しているものの、上手く改善できたケースも少ないです」と語る。
 それら課題の打開策として期待されるのが「Nimbo」。一般的な警備ロボットと比較して約7割のコストカットを実現し、国内最小クラスのコンパクトサイズを実現。大規模なオフィスビルや商業施設、工場などの徒歩での巡回は負担が大きく、警備コストも掛かる。広い施設の警備にこそ適したロボットである。ちなみに動作時間は最大で約7・5時間。付属として充電用のステーションがあり、約5時間の充電で済む。バッテリーが少なくなれば自動でステーションに戻るシステムだ。
 国内の営業業務を担当するCBCの小川卓也氏は「当分は施設警備業務の一部代替、及び警備員の補助を想定して使用します。5年リースでの契約が一般的で、月々20万円前後での提供を想定しています。現状は屋内仕様限定です。今年中に100台の普及、来年は新機能の拡充を行いながらおよそ300台の普及を目指し、21年には屋外使用が可能なモデルの投入を計画しながら、1000台の普及を目指します」と語った。




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