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大和ハウス工業「HAKOVIVA」オープンへ 敷地内は避難施設・ホテルは防災医療拠点に
2019.11.18 15:12
大和ハウス工業(大阪市北区)が北海道函館市で建設してきた複合商業施設「HAKOVIVA(ハコビバ)」が竣工。12月1日にオープンし、12月7日にはグランドオープニングイベントが開催される。
「HAKOVIVA」は、JR北海道函館本線「函館駅」徒歩1分に位置し、防災医療拠点の機能をもつホテル(客室数261室)と、19の店舗(11月11日現在/最大24店舗出店可能)からなる地上11階建ての複合商業施設だ。函館の「函」と、イタリア語で万歳や歓声を表す「VIVA(ビバ)」を組み合わせて名付けられた。エリアを3つに分け、ホテル棟を「ステーションサイド」、店舗棟を「スクエアサイド」、カフェ棟を「ゲートサイド」と呼ぶ。
施設の中央には、函館市民や観光客の交流を目的としたシンボルツリー(ヒムロスギ)のある交流広場「ハコビバスクエア」を設置。「函館駅前広場」や函館市内の周辺と連携したイベントも開催し、「函館」駅前の活性化に貢献する。
「スクエアサイド」と「ゲートサイド」には、北海道や函館市を代表する飲食店や物販店が18店舗出店。「スクエアサイド」の1階には昭和の函館の街並みを再現した「函館駅前横丁」が設けられる。
「ステーションサイド」には、「ラ・ジェント・ステイ函館駅前」(地上11階建て、客室数261室)が開業。グループでの利用にも対応できるよう、4名で宿泊できる部屋(16室)や、函館の海を眺望できる部屋(6室)など多彩な客室を用意。インバウンドの長期滞在型観光も想定し、客室の一部(4室)を家具・家電付きのサービスアパートメントとした。そのほかにも、天然温泉の大浴場や道南の食材を用いたレストラン、バーも設けた。
大和ハウス工業では災害時に「防災医療拠点」となるER(エマージェンシーレスポンス/災害対策)機能を持たせた施設建設を推進中。「HAKOVIVA」は北海道内において、札幌に次ぐ2棟目のER施設となる。災害時には、同施設内の避難スペース・設備機器・備蓄した物資を提供する。さらに、万が一、災害により陸路が遮断されても、「ステーションサイド」の屋上に設置した緊急救助用のホバリングスペースを利用することで、ヘリコプターによる物資の搬入や傷病者の搬出が可能となり、函館市の安全・安心な街づくりに寄与する。