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KASHA tokyo 客室清掃レベルでオフィス清掃に参入 コロナ対策も積極的に導入

2020.03.09 17:46

 ビル内を清潔に保つことは内見の際の好感度やテナント満足度の向上を図る上で欠かせない。宿泊施設で得た技術やノウハウをもとにオフィス清掃への参入したのがKASHA tokyo(東京都港区)だ。

 KASHA tokyo(東京都港区)がオフィスビル向けの清掃サービスを開始している。
 同社は民泊運営事業者として2014年に設立。現在は運営事業をグループ会社のバケーションホリデーハウスマネージメント(東京都港区)に移し、トータルライフケアサービスに特化。民泊やホテルなどの宿泊施設の清掃を約400室行うほかに、家事代行サービスの「ねこ家事R」を展開。直近ではオフィスビル清掃にも着手し、現在都内で6棟ほどを受け持っている。
 代表取締役のリチャードソン志生子氏は「民泊やホテルの客室清掃は清掃業務のなかでも非常に難易度が高い」と話す。昨今ではホテル市況が活況なこともあって、客室清掃に参入する大手管理会社もある。一方でベッドメイキングや多くの客室の清掃を短時間で作業するノウハウ、加えて高い清潔性が求められる。「極端な例を挙げれば、髪の毛が1本でも落ちていればクレームにつながります」というほどだ。
 昨今のコロナウィルスの流行に伴い、同社はスタッフ全員に消毒用エタノールを所持させ、オフィスや客室清掃の際に消毒を実施している。「このような状況の中でも宿泊してくださるゲスト様や、オフィスワーカー様に少しでも感染を防ぐお手伝いが出来たら」と語る。
 この客室清掃の分野で400室行っている実績を生かして、参入したのがオフィスビル分野だ。オフィスビル清掃からホテル清掃に参入する際にはそのレベルの高さがハードルとなる。一方で、すでにホテル・宿泊施設で多くの実績を挙げてきた同社にとってオフィスビル清掃は「これまでの業界の標準以上を十分に狙っていける」と見込む。
 「民泊でもオフィスビルでも清潔な環境が維持されていることは顧客満足度の高さにつながります。民泊の客室清掃で得たノウハウをもとにして、オフィス清掃のスタンダードを構築していきたいです」(リチャードソン氏)
 また直近ではクリニック店舗向けの清掃サービスのリリースも予定している。新たなオフィス向け清掃サービスとしてシェアを伸ばしていけるか注目だ。




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