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VR内覧システム「ROOV walk」住友商事の「PREX」シリーズに採用

2020.03.09 16:51

 スタイルポート(東京都渋谷区)のVR内覧システム「ROOV walk(ルーブ ウォーク)」が、オフィス物件へと展開を広げた。竣工前のリーシングツールとして住友商事(東京都千代田区)の中規模オフィスブランド「PREX」シリーズに採用され、新規開発案件「島津山PREX」に提供する。これまで新築分譲マンションで培ったVR技術を中規模オフィスの竣工前リーシングツールとして提供することで、オフィス事業者の早期満室稼働による収益最大化と募集コスト削減を目指す。
 グレードの高い中規模オフィスに対するニーズが高まってきていることから、住友商事は本年より年間5棟以上を開発していく計画。これまでのように竣工してからモデルオフィスを設置し、テナントリーシング活動をしていては空室が増えていくリスクが高いことから、住友商事は、着工した時点から即リーシング活動を開始できる「ROOV walkオフィス版」の制作を依頼した。
 同システムを採用した「島津山PREX」は、敷地面積535㎡、延床面積2615㎡、地上8階建て、鉄骨造の中規模オフィスビル。竣工は2021年2月を予定している。
 同システムは独自開発の3Dエンジンにより特別なデバイスやアプリを使用することなく、一般的なパソコン、スマートフォン、タブレット端末のWebブラウザで、竣工前のオフィスをいつでもどこでもVRで内覧することができる。
 CAD図面から室内空間の3DCGを作成することにより、未竣工のオフィスはもちろん、入居中のオフィスでも退去申込時点から、VR空間を活用したリーシング着手が可能。また、内覧機能に加え、3DCGならではの多彩なシミュレーション(眺望合成、オフィス什器レイアウト、採寸など)により、入居後の室内空間をイメージ。入居テナント自身が想定レイアウトを簡単にシミュレーションできることで、納得感と入居検討を促進し、物件選定にかかる時間を削減する。
 同システムを利用することで高額なモデルオフィス建設費用や内覧立ち合い等のテナント募集コストが削減可能になる。また、公式ホームページへの掲載や、メール本文にURLを記載しオフィス仲介会社に配信し、マーケティングツールと連携する等、幅広く活用できる。




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