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東芝と会津若松市、スマートシティ構想で連携
2020.03.09 16:53
東芝データ(東京都港区)は、福島県会津若松市のスマートシティ構想に参画・支援するため、今月より、先端テクノロジーの実証事業や社会実装の支援を強化する開発拠点を同市内の「スマートシティAiCT」内に開設した。
生活者の購買データを元に生活者、小売店、地域コミュニティにメリットを還元する同社の事業モデルを活用することで、同構想の実現に協力する。同事業モデルでは、東芝テック(東京都品川区)の「スマートレシート」を活用する。また、協力を通じて得られる経験・実績をもとに、日本各地で推進されるスマートシティの実現に貢献する。
スマートシティは、先進的技術の活用により、都市や地域の機能やサービスを効率化・高度化し、各種の課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出する取り組みであり、サイバーとフィジカルを高度に融合したSociety 5・0の先行的な実現の場とされている。
会津若松市は、福島県外から多くの企業やスタートアップが拠点を置き、公立大学法人会津大学や地元企業、地域市民とのオープンイノベーションを実践する場となっている。
市民中心、課題解決型のスマートシティ計画を進める会津若松市の取り組みに賛同し、東芝グループは同社を中心にイノベーションの実現に協力する。
「スマートレシート」は店舗で買物客が会計をする際に、レジでレシート印字データそのものを電子化して提供することができるシステム。買物客はスマートフォンアプリに表示されたバーコードをレジで読み取ってもらうだけで、電子化されたレシートデータを受け取ることができる。
同社は、東芝テックの「スマートレシート」を用いて、実店舗でのレシート情報(購買履歴)を起点とする「レシート情報×クーポン」、「レシート情報×地域ポイント」などのサービスによって、より便利で快適、お得な生活を提供する。高度なマーケティングや広告による「レシート情報×潜在ニーズ」、「レシート情報×健康」を活用することで集客・売上拡大、商品開発、サプライチェーン効率化などの効果をもたらす。
これらのイノベーションを会津若松市の構想に活用することによって、優れたシナジーが生まれることが期待されている。