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スクラバー清掃ロボット「Neo」他より約1.5倍の作業効率
2020.04.13 16:59
床の清掃業務では、デベロッパーやビルメンテナンス会社を中心にロボットの導入が昨今より顕著だ。人の手を使わず、清掃スキルも高い。上手く運用できれば、作業効率化にも繋がる。今回は広域のハードタイプ床の清掃に適した製品を紹介する。
ハードタイプの床の広域清掃に特化
マクニカ(横浜市港北区)は、半導体やネットワーク、サイバーセキュリティなどの最先端テクノロジーに特化したソリューション商社。2018年1月からは新たに自動床清掃ロボット「Neo」の提供を始めた。
取り扱うロボット「Neo」は、カナダに本社を構えるAvidbots(アヴィドボッツ)社が開発。2014年創業のAvidbotsは、翌年から本格的にロボット開発をスタート。17年にスクラバータイプの「Neo」が完成。マクニカは18年から日本での代理店販売を開始した。
サービスロボット事業推進部の梶ヶ谷彰氏は「現在、床清掃用のロボットは、清掃ルートの作成を『ティーチング』か『マッピング』を採用。昨今主流の『ティーチング』は作業方法をイメージしやすいが、作業者の技術に依存してしまい、またルートの修正や追加時には作業を一からやり直す必要があります。また『マッピング』は障害物を柔軟に回避することは可能だが、プログラミングの設定は現地で行う必要があります。オーナーや管理会社はロボットを導入する前に、製品の特徴や機能性を把握していなければ、適切な運用に繋がらないのではないか」と指摘する。
管理業務の効率化 クリーニングレポート
同社のNeoは、フロア情報を記憶させるだけの「Neo マッピング(方式)」を採用。搭載されたカメラとセンサーにより、ユーザーは事前に清掃エリアを手押しで走行させ、フロア情報をロボットに記憶させる。記憶後ロボットのスクリーン画面をタッチすることで読み込んだデータをAvidbots社に送り、翌日には清掃プランが作成されロボットに同期される。一度清掃エリアを作成すれば、プラン修正は電話やメール一本で柔軟に対応できる。修正の度に現場作業を行う必要は無い。
また業界最高クラスの高い作業性も魅力。他社製品は、1時間で平均700~1000㎡を清掃する(マクニカ調べ)。テニスコート約4面分相当。対してNeoは平均1000~1500㎡と、約1・5倍。フル充電状態なら1回の作業で最大4000~5000㎡を清掃できる。スピードは時速4・3kmと速い。清水・汚水用のタンク双方共に120lと大容量。プラン作成は半日~1日ででき上がり、更に生産性の高さが好まれ導入する企業は多い。高い作業生産性で、清掃現場の効率化に貢献する。
管理業務の効率化にも優れている。走行映像はリアルタイムでスマートフォンやPCで遠隔監視。清掃業務完了後は、業務内容の「クリーニングレポート」を管理者の指定したデバイスに報告。走行ルートをプランに落とし込み、拭き忘れや2重塗りも確認できる。また緊急停止状況やトラブルの通知も行い、水の交換も報告するなど管理者の手間削減に繋がる。
梶ヶ谷氏は「広い空間を対象としているため、中小規模には向かない。目下の主戦場は大空間施設」と急速な普及にあらためて言い及んだ。ユーザーは1~2台購入後、慣れてくると更に追加で購入するケースも多いことから、今後広範囲の床清掃(室内に限るが)はロボットが担当する時代となったといってよい。