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ZMP コロナ軽症者等の宿泊療養施設内で物流用無人搬送システムを応用

2020.05.11 16:42

 ZMP(東京都文京区)は、コロナウイルス軽症者等の宿泊療養を進める関係者からの要望を受け、物流支援ロボット「CarriRo」による物資搬送ソリューションの提供を開始した。
 現在、軽症者等を受け入れる施設や民間ホテルが全国の自治体で募集され、実際の運用も始まっている。受け入れ施設では、日々の弁当配送やゴミの回収など多くの物資搬送業務が発生。こうした業務に各自治体の職員が緊急対応しているが、二次感染と人手不足が大きな問題となっている。今後、同様の施設拡大も進むことから、物資搬送の問題も早急な対応が必要だ。
 同社はこの状況に対して、物流支援ロボット「CarriRo」の活用により、医療、運営職員の「感染リスクの低減」、「心理的負荷の軽減」、「運搬業務の省力化」に貢献するソリューションを提供する。このソリューションについては、複数の自治体の協力のもと宿泊療養が計画されている実際の施設で動作検証も行っているという。
 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の軽症者等の宿泊療養マニュアル」によると、宿泊療養を行う軽症者等については、各部屋までの配送ではなく、特定場所に運ばれた弁当などを受け取りに来るといった運用ケースもある。このようなケースでは、宿泊フロアへの搬送を「CarriRo」が無人で行うことにより、職員が当該フロアに行かずに物資を搬送することが可能だ。エレベーターに「CarriRo」を乗せて宿泊フロアへ送り出した後、「CarriRo」は自動でエレベーターを降りてフロア内で停止。宿泊軽症者等が物資を受け取り後、一定時間経過後にエレベーターを経由して元の階に帰還する。運用中は「CarriRo」と接続された管理システム「ROBO-HI」で、その状態を遠隔モニタリングすることができる。これにより職員の作業エリアを限定でき、感染リスクの低減とともに運搬作業の省力化が可能となる。
 また施設によっては宿泊軽症者等の滞在するフロアを自動巡回し、各部屋前まで物資を搬送することも可能。こうした運用をエレベーターとの連携や無線通信環境を前提とせずに構築できるため、迅速な対応が可能となる。
 さらに同ソリューションでは、施設外部からの個別配達物を指定フロアへ届ける場合にも活用可能。家族からの物資受け取りや、宿泊軽症者がネットショッピングを行った場合の受け取りなど、職員のリスクや労力を極力増やさずに利便性を向上させることができる。
 現在のような非常時は、社会全体での一致団結した対応が必要。同社はロボットベンチャーとして、政府や自治体等の関係者と協力し取り組んでいくとしている。




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