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トヨタの街づくり実証、実施へ

2020.05.18 17:44

 トヨタ自動車(愛知県豊田市)は12日、決算発表会を開催した。2021年3月期決算の営業利益見通しを「コロナ禍などにより前年比8割ほどダウン」とした上で、今年1月に発表したコネクテッド・シティ「ウーブンシティ」の実証開発プロジェクトは実行すると明らかにした。
 「ウーブンシティ」は、今年末に閉鎖される同社東富士工場(静岡県秦野市)の跡地約70万㎡を活用。実際に人が暮らす街を造り、自動運転やAI、パーソナルモビリティ、MaaS、スマートホームなどの技術を検証するプロジェクトで、2021年初頭に着工し、初期には2000人程度が生活することを想定している。決算発表会ではスケジュールや規模などプロジェクトの内容には触れなかったが、同社執行役員の近健太氏は「大きな変更はない」と明言した。
 プロジェクトは参加型で、段階的に街の規模を拡大していく構想。豊田章男社長は今年1月の発表で、「関心がある方、将来の暮らしを改善したいと思われている方はどなたでも歓迎する」と延べ、幅広い層に参加を呼びかけている。
 一方で今月7日には、米グーグルが関連会社を通じて進めていたスマートモビリティシティ開発計画から撤退すると発表した。財政的な理由とみられる。カナダ・トロント市の海岸地区を再開発し、「自家用車に頼らない街」を造るとしていた。




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