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三井不動産/KDDI オフィスビルにおける5G活用で提携
2020.05.25 12:35
三井不動産(東京都中央区)とKDDI(東京都千代田区)は、第5世代移動通信システム「5G」を活用したオフィスビルのデジタルトランスフォーメーション(DX)を目指し基本合意書を締結したと発表した。今後、オフィスビルの課題解決や働き方改革を促進するオフィスソリューションの提供に向けた取り組みを開始する。
同事業はまず、KDDIが2019年に港区虎ノ門に設立した5Gビジネスの開発拠点「KDDI DIGITAL GATE」やKDDI本社における実証実験からスタートさせる。その後、2021年4月を目途に三井不動産が保有するオフィスビルで5Gのネットワーク環境を構築。実証実験を開始する。現在、実証実験の拠点として予定されているのは前述のKDDIの2拠点のほか、「日本橋室町三井タワー」11階の三井不動産執務室、同5階のテナント向け会員施設「not.」、「日本橋高島屋三井ビルディング」10階のナント向け会員施設「not.」。
5Gは「高速・大容量、低遅延、多接続」が特徴で、即時性や安定性が求められるオフィスビルにおいて、より高精細で大容量のデータ通信などを安定的に行うことが可能。新型コロナ感染拡大の影響により、BCPの観点からテレワークがより一層求められているが、5Gに代表される最新の情報通信技術の整備も待たれているのが現状だ。
両社は三井不動産の持つ「場と機会」、KDDIの持つ「技術基盤」を融合することで、5Gを活用した快適なテレワークやバーチャル会議などのソリューションを構築しオフィスビルのDX化を図る。さらに、両社の社員をはじめ、三井不動産保有のオフィスビルで働く利用者が5Gを利用できる環境を整え、実際に使う現場の意見を取り入れながら、付加価値の提供とビジネスモデルの創出を目指す考えだ。