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日本初・純木造の7階建てビル「高惣木工ビル」着工

2020.06.01 16:15

 先月21日、木造建築の設計施工を手掛けるシェルター(山形県山形市)が、7階建ての木造ビル「高惣木工ビル」の起工式を実施。同日着工した。
 「高惣木工ビル」の建設地は「仙台」駅東口至近、ペデストリアンデッキからも視認できる用地。新築される建物は敷地面積245㎡、延床面積1131㎡、木造7階建て。1~2階をテナント、3~6階をオフィス、7階を事務所・住宅として使用する。竣工は2021年2月の予定。
 同ビルは7階建てでありながら、鉄筋コンクリートや鉄骨などを使用しない純木造。日本で初めて主要構造部に製材を使用する高層建築物となる。強度をもたせるため、複数の製材を金物で接合した柱や梁を採用。接合金物工法によって十分な耐震性を担保した。製材の使用には、各地で木造ビルを建設できる技術やノウハウを蓄積する狙いもある。
 建築基準法では、建物の規模や階数などに応じて耐火性能が定められている。同計画ではシェルターが開発した木質耐火部材「COOL WOOD(クールウッド)」を採用。国土交通大臣認定を取得し、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と同等の耐火性能を持ちながら、木の温もりを生かした建物をつくることができる。
 日本の森林資源を活用する木造ビルの普及は、SDGs(持続可能な開発目標)達成にも寄与する。日本の建築物の階数の分布は1~5階までが99%以上を占める。シェルターでは、同社の技術を用いることで国内の建築物の大多数を木造化することが可能という。本計画を汎用性の高い木造ビルのモデルケースとして、「杜の都」仙台から全国に向けて発信するとしている。




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