週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
空いた地下空間をコワーキング+トランクルームに「エミリオ西新宿店」オープン
2020.06.30 12:41
不動産開発・不動産投資・AIプラットフォーム事業を手掛けるマクロマイスター(東京都新宿区)。同社が展開する「Storage&Co-work」は、地下空間を「トランクルームとコワークスペース」に変えるコンバージョン施策だ。その第1号店である「ザ・フィガロ市ヶ谷」に続き、2店舗目となる「エミリオ西新宿店」が6月23日にオープンした。グランドオープンのプロモーションとして、7月末まで入会費無料キャンペーンを行う。
一般的に、地下の賃料相場は安く稼働率も低いためリーシングに苦慮することが多い。だがトランクルームであれば最小0・5畳からの狭小個室に分割でき単価を上げることができるため、基準階と同等以上の賃料単価で賃貸が可能となる。不動産オーナーは地下空間の賃料を最大化して収益力を上げるとともに、物件全体のリスク分散にもつなげることができる。またトランクルームの利用者は長期で賃貸することが多く、原状回復コストも殆どかからないなど運営面でのメリットもある。「Storage&Co-work」ではこのメリットを活用し、コワークスペースを併設することで新たな価値を提供している。
さらに、内装デザインを重視することで利用者への訴求力も強化。コワークスペースでは、使用するオフィス家具にこだわることで魅力を高めている。家具デザイナー、フィリップ・スタルク氏による「PRINCE AHA」や、オシャレでインダストリアルなデザイナーズ家具を採用し、デザインで差別化を図ることで利用者獲得につなげる戦略だ。
オペレーションについてはシンプルにし、人がいなくても運営できるリモートオートロックなどを活用。初回時のオンライン申し込み、オンライン決済、キャッシュレス決済にも対応できる。「エミリオ西新宿店」ではIoT技術により、スペースの予約からスマートフォンを使っての鍵の受け渡しまで完全非対面で利用できる仕様とした。
同社は今後、さらに地下のテナント誘致で悩む不動産オーナーに向けて「Storage&Co-work」を提案し、サブリース事業も展開していく予定だ。