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需要増加のドローン ビル外壁の現状把握等に活用
2020.08.03 15:14
ドローンの需要が伸びている。業務の効率化や運用コストの削減、活用次第ではこれまで多大な負担であった点検作業などをより簡素・簡略にできることも注目される。まさに使い方次第がドローンである。
空撮や建物の撮影 パネルの点検に活用
ドローンメーカー最大手の中国企業DJIから、日本での販売許可認定を受けた深空(大阪市中央区)は、主力製品ドローンの「Phantom(ファントム)」シリーズを展開。毎年着実に販売実績を伸ばしている。
DJIが販売する「Phantom」シリーズの主力は、4世代目の「Phantom4 PRO V2・0」。重さは約1・3kgとドローンの中では比較的軽く、最大伝送距離は約2km。障害物認識やビジョンポジショニングシステム等を有し、最大時速は72km。動く被写体を自動で認識し、追尾・撮影が可能。操作も専用の送信機で行い、高輝度モニター付き。これらの機能によって、従来よりも安全・簡単にドローンの操作が可能だ。映像ソリューション事業所・主任の竹村浩志氏は「主にドローンは、空撮や建物の撮影、屋上や太陽光パネルなどの点検などに活用されています。やはり人の目では把握するのに難しい箇所や手間が掛かること、昨今は接触感染なども危惧して、赤外線カメラのサーモグラフィを用いる等、今後は様々な分野にて活用が期待されています」と語る。
以前から重要の高い運用に、太陽光パネルやメガソーラーなどの広い範囲の点検ドローンが使用される。広範囲にわたり設置されるメガソーラーを可視光カメラと赤外線カメラを使用して、現状の破損箇所や汚れなどを把握。これら汚れなどを把握したのちに奇麗に取り除き、より効率的な太陽光発電が可能となる。また故障箇所を視覚的に見つける際の時間や労力の短縮にも貢献する。
不動産の分野においては、竣工後の物件の完成写真や動画の撮影、イベント時の空撮、足場を組まなくても屋根や屋上の確認などに使用できる。特に外壁の現状把握では、ビルの高所作業に伴う人件費や作業費、作業コストの削減に効果的と考えられ、外壁全面をチェックするのではなく問題のある箇所のみを把握した後に修繕すれば無駄なコストも発生しない。
竹村氏は「法整備なども課題としてありますが、効率化やコスト削減には効果的。外壁目視診断程度であればドローンの導入活用は比較的容易と思われますので、更なる需要が見込めそうです」と語った。
太陽光パネルの点検・チェック 空撮赤外線検査で効率的に検出
深空 映像ソリューション事業所 主任 竹村浩志氏
「ドローン」の活用頻度の多い太陽光パネルやメガソーラーの点検・チェックなどでは、空撮赤外線検査で異常個所を効率的に検出できます。一見故障が無く見えるパネルも、赤外線を使用すると故障箇所だけは温度の違いがはっきりと表れます。1枚ずつチェックするよりも一目で分かることから、作業効率の改善や時間削減などに効果的です。年々需要も高まっており、購入・レンタル双方の台数も伸びています。