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佐川が倉庫のシェアを本格開始 全国80カ所15万㎡で未稼働時間を活用 庫内機器もシェアし既存顧客に還元
2020.08.24 17:45
佐川急便(京都市南区)を傘下に収めるSGホールディングス(京都市南区)グループの佐川グローバルロジスティクス(東京都品川区)は、倉庫スペースやマテハン(物流荷役)機器を利用者同士でシェアするサービス「Space Share Service(スペースシェアサービス)」の全国展開を開始した。
同サービスは2020年7月から一部地域でトライアルを始め、8月20日より全国展開を開始したもの。社会環境の変化に伴い、販売チャネルの多様化を目的にEC市場への参入を検討するメーカーや小売業者が増えるなか、物流事業者へのニーズも多様化している。こうした状況下、フォークリフトやパレットといったマテハン機器導入などの初期投資を抑え、物流作業をアウトソースしたいという声が多く聞かれているという。
このような社会情勢を背景に、佐川グローバルロジスティクスでは未稼働時間の倉庫スペース、マテハン機器を有効活用したオーダーメイドのシェアリングサービスを開始。同社が保有する倉庫約80拠点、総床面積約15万坪を対象とし、既存の利用者が使用していない時間・期間にマテハン機器なども一緒にシェアすることができる。
例えば、スポット発送が発生した場合、期間・スペースなどのニーズに合った最適解を、佐川グローバルロジスティクスが既存施設の中からマッチングし、簡単な手続きですぐに利用できる。作業内容に合わせたマテハン機器をシェアすることも可能なため、導入に必要な初期投資を抑えることができる。
同社を利用している既存の顧客は、夜間、週末や祝日などの未稼働時間、閑散期の未使用倉庫を他の利用客とシェアすることでコストを削減できる。トライアルでは、閑散期の未使用スペースを他の利用客とシェアすることで、月額の物流コストを30%削減できた例もあるという。
同社は、今後も多様なニーズに合わせたソリューションを提案し、顧客とともに進化するベストパートナーを目指していくとしている。