週刊ビル経営・今週の注目記事

毎週月曜日更新

地価3年ぶり全国的に下落 住宅地価下落幅拡大、商業地も5年ぶり下落に

2020.10.05 10:52

 国土交通省は9月29日、令和2年度都道府県地価調査の内容を公表した。同調査は全国約2万1500地点を対象に実施。今年7月1日時点の1年間の地価動向をまとめたもの。
 全国平均では、全用途平均において平成29年以来3年ぶりに下落に転じた。用途別では住宅地は下落幅が拡大し、商業地は平成27年以来5年ぶりに下落に転じた。
 三大都市圏を見ると、住宅地は東京圏・大阪圏が平成25年以来7年ぶりに下落に転じ、名古屋圏は平成24年以来8年ぶりに下落。商業地は東京圏・大阪圏で上昇幅が縮小し、名古屋圏は平成24年以来8年ぶりに下落に転じた。
 また、地方圏では全用途平均・住宅地は下落幅が拡大し、商業地は昨年の上昇から下落に。全用途平均・住宅地・商業地のいずれも、地方四市(札幌市、仙台市、広島市および福岡市)では上昇を継続したが上昇幅が縮小。地方四市を除くその他の地域では下落幅が拡大した。
 背景として、この1年間のうち前半(令和元年7月1日~令和2年1月1日)は、交通利便性や住環境の優れた住宅地、オフィス需要の強い商業地、訪問客の増加に伴う店舗やホテルの進出が見込まれる地域を中心に地価の回復傾向が継続していたと見られる。
 一方で後半(令和2年2月1日~同7月1日)は、新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明感から需要が弱まり、総じて上昇幅の縮小、上昇から横ばいまたは下落への転化となったと見られる。




週刊不動産経営編集部  YouTube