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矢野経済研究所調べ 2019年度ビル管理市場は4兆2763億円 年度比7%アップも20年度はコロナで縮小か

2020.10.26 10:55

 矢野経済研究所(東京都中野区)は19日、国内のビル管理市場の調査結果を明らかにした。調査は今年7~9月、全国の有力ビル管理事業者を対象に、面談、電話、文献調査によって実施した。
 調査によると、2019年度の国内ビル管理市場規模(元請金額ベース)は4兆2763億円で、前年度比107・0%。ビル管理事業の対象となる建築物ストックの増加、人件費高騰を背景とした契約単価の見直しや収益性の高い新規案件の獲得が進んでいる点が拡大要因と見ている。
 建物使途別推計では、住宅が約1515億円(建物使途別シェア3・5%、前年度比112・5%)、非住宅が約4兆1248億円(同96・5%、同106・8%)。非住宅で最もシェアが高いのは事務所ビルで、その市場規模は約9332億円(同21・8%、同106・6%)と、市場のおよそ5分の1程度を占める。これに続くのが店舗・商業施設の約7832億円(同18・3%、同106・3%)。以下、学校施設の約4241億円(同9・9%、同105・1%)、医療・福祉施設の約4236億円(同9・9%、同108・4%)、工場・作業所の約4092億円(同9・6%、同105・6%)等となっている。
 将来展望については、2020年度の市場規模(元請金額ベース)を前年度比92・0%の3兆9335億円と予測。新型コロナの影響が出た宿泊施設や商業施設を中心に、市場規模の縮小は避けられないと分析した。
 一方で、契約見直しによる単価の改善、衛生管理業務や警備保障業務での一時的な人手不足解消など、従来からの課題の解決もわずかながら進んでいる点に着目。ロボットの活用など、業務の効率化とコストバランスを追求した新たな業務運用の確立が重要と指摘している。




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