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オフィスナビ 6割がオフィス移転・分散・改装を検討 9月17日~25日で意識調査を実施

2020.10.26 10:43

 全国で累計1万件超のオフィス仲介実績を有し、賃貸オフィス検索サイト「オフィスナビR」を運営するオフィスナビ(東京都千代田区)は、9月に行った「Withコロナ時代における働き方とオフィスに関する意識調査」結果を公表した。
 オフィスの移転・分散・解約・レイアウト変更などについて6割が「予定・検討している」と答え、オフィスの流動化が今後も進むことをうかがわせた。「予定・検討」の具体的な施策の内訳は縮小移転21%、レイアウト変更20%、拡大移転17・6%、分散15・2%と分かれ、オフィス市況の値下がりを背景に拡大移転を考える企業も比較的多くなっている。この調査は9月17~25日にインターネット上で実施、353件の回答を得た。
 オフィスに求めるものがコロナ以前と比べて「変わった」と答えた企業は55・5%と半数を超えた。重視されるようになったのは「社内コミュニケーション活性化」(21・9ポイント上昇)、「BCP(事業継続計画)」(15・8ポイント上昇)、「社員のモチベーション向上」(15・3ポイント上昇)。一方で、「立地(エリア・路線)」(21.9ポイント低下)、「駅からの距離・アクセスの良さ」(18・9ポイント低下)、「ビルグレード」(10・2ポイント低下)は重視されなくなり、コスト意識が高まっている。
 働き方については、「在宅勤務」、「時差出勤」、「社内会議のオンライン化」、「出張の抑制」、「商談活動のオンライン化」、「イベントの中止・延期」を、それぞれ半数を超える企業が実施。これらを今後も継続するかどうかの問いには、オンライン化の継続率が9割を超す半面、在宅勤務や時差出勤は7割台、イベントの中止・延期は57%、出張の抑制は45%にとどまった。同社ではオンライン化が新しい働き方として定着する一方、人の移動やイベント開催は徐々に復活するとみている。
 こうした中、ウィズコロナ時代における働き方やオフィス環境の課題の有無については、77・6%の企業が「ある」と回答。具体的には「社員のコミュニケーション」、「IT環境の整備」が上位で、「ソーシャルディスタンスの確保」、「社員の教育体制」、「社員の評価」が続いている。階層別にみると、部長・課長クラスが「社員のコミュニケーション」、「社員の評価」、「ソーシャルディスタンス」に高い関心を示し、課長・係長・主任クラスが「社員の教育体制」、「IT環境の整備」に関心を寄せる。半面、経営層・役員クラスは平均的な数値であり、職務ごとに関心の濃淡が表れる結果となった。




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