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オムロン・ソーシアルソリューションズ 自立移動・複合型のサービスロボットをリリース
2020.11.09 14:59
清掃・警備・案内の3つの機能を搭載
オムロン(京都市下京区)のグループ会社で、社会システム事業を担うオムロン ソーシアルソリューションズ(東京都港区)は、11月に自律移動する「複合型サービスロボット」をリリースする。
複合型サービスロボットは、清掃・警備・案内の3つの機能を搭載したロボットで、店舗や施設の清掃、巡回警備業務等における人手不足の解消や業務の効率化に貢献する。ロボットは設定された時間とルートに従って除塵清掃や巡回警備をこなし、前面のモニターを使って動画コンテンツ等による案内業務も可能だ。
更に自動充電機能も搭載し、バッテリーの充電が必要な場合は自ら充電ステーションへ戻る。昼夜問わず連続稼働も可能。もちろん、人や障害物を自動で回避できるため、施設内を人が行き交う時間帯の稼働や業務も対応できる。
実際、ホテルロビー内の清掃や食品系のスーパーマーケット、ホームセンターなどに導入されており、昼は万引き防止の巡回業務、夜は床清掃と柔軟に対応する。
事業開発統轄本部の田中信頼氏は「様々な分野・業種で人手不足が顕著となっており、従来通りのサービスを維持していくことが難しくなっています。年々ロボットによる代替のニーズは高まっていますが、一方で清掃のみ・警備のみの単機能に特化したロボットでは活用の機会が限られます。これらの課題を解決するのが、当社の『複合型サービスロボット』です。例えば、ビルでは早朝に清掃、夜間は巡回警備を行ない、日中は入り口での立哨と本体前面のディスプレイを使った情報提供などが可能になります。シーンによって使い分けが可能なことから、各業務に特化したロボットを揃える必要もありません」と語る。
更に同社複合型サービスロボットの特徴が清掃や巡回ルート等の設定だ。これらの設定は人が手押しで記憶させる方式で、ロボットの専門知識のない清掃員・警備員でも簡単にルートを指定できる。一方、新しい清掃員・警備員に業務を教えるとなれば手間が発生する。人の入れ替わりがある度に行われ、業務スキルにおいては個人差も出てしまう。
田中氏は「人の手だけでは不十分であった清掃状況の改善と、ロボットと人がそれぞれ得意な業務を行うことで効率化にも繋がります。これまでの清掃業務の一部をロボットに任せ、人を殺菌・消毒など他の作業にあてることもできます。省人化・省力化にも貢献でき、かつ3つの役割を上手く使いこなすことで費用対効果も出しやすくなります。他にも、各業務におけるレポートの確認、遠隔からの状況確認やロボットの遠隔操作などにも対応しており、不測の事態に備えては、全国約140カ所のサービス拠点でのサポート体制を構築しました」と語った。
ちなみにこのロボットは、機器レンタル、運用・保守等も含む月額パッケージサービスとしている。ビルだけではなく、マンションの共用部やホテル、商業施設などの清掃・警備・案内業務に是非とも役立ててほしい。