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1985年竣工の「田町スクエア」がラボ併設型賃貸オフィスにリニューアル
2020.12.21 11:23
東急不動産(東京都渋谷区)は、東京都港区に所在する既存オフィスビルの「田町スクエア」をリニューアルする。ラボ機能を有する賃貸オフィスとして2021年1月末に竣工予定で、建物内には東急不動産グループが都内で展開している会員制シェアオフィス「Business-Airport(ビジネスエアポート)」の15店舗目となる「Business-Airport Tamachi(ビジネスエアポート田町)」も2021年2月24日に開業させる予定。
「田町スクエア」は1985年に竣工したオフィスビル。延床面積7520㎥、基準階面積789㎥、地上6階地下1階で、JR「田町」駅より徒歩5分、都営地下鉄「三田」駅より徒歩2分と複数路線が利用可能な都内の主要エリアにもアクセスしやすい立地。
3~6階を給排水対応可能なラボ併設型オフィスとして各テナント区画室内まで給排水設備を設置。5~6階はドラフトチャンバー用給排気ダクト・ファン設置スペースを確保する。また建物内に中和処理装置を設置し、酸性およびアルカリ性排水の処理に対応。さらに、関西エリアで民営賃貸ラボ施設運営の実績が豊富である京都リサーチパーク(京都市下京区)とラボオフィスに関して連携しており、テナントニーズに合わせた研究環境を提供する。都心でラボ機能を有する賃貸オフィスを実現することで、郊外型研究施設の課題であった人材採用におけるターゲットの拡充などのビジネスの効率性や、ワーカーのQOL(Quality of Life)の貢献に寄与する。
1~2階の「ビジネスエアポート田町」は内外の交流拠点としての機能を充実させ、オープンイノベーション創出を促進する場を提供する。ラボオフィスに入居する企業、周辺企業、ビジネスエアポート会員、さらには近隣大学の学生等、年齢・性別・職種を問わず誰もが気軽に交流を図れる場として、ラウンジ(コワーキングスペース)一体のカフェ空間を併設し、多種多様な人材交流の空間を提供する。カフェエリアはビジネスエアポート会員以外も利用可能で、ビジネスエアポートラウンジを体験できるほか、ビジネスエアポート会員の情報発信の場としても機能する。カフェ空間をイベントスペースとしても活用し、ベンチャーキャピタル(VC)と起業家を繋ぐ場として、また、ビジネスエアポート会員と学生を繋ぐ場として、様々な共創を促進するイベントを実施できる場を用意する。
外観には金属メッシュをガラスに挟んだパネルを採用することで、波のような輝くきらめきと海のような透明感と深みを感じられるデザインとした。無機質で閉鎖的なラボのイメージを刷新する、都心の洗練された印象を表現している。
内装は古い面影を残しつつもラボ仕様という新しい機能を持ち合わせてリニューアルする「田町スクエア」をイメージし、オールドアメリカン基調の内装で、開放感のあるシェアオフィス空間を提供する。