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三井不動産 賃貸ラボ&オフィス事業第二弾「(仮称)三井リンクラボ新木場」着工
2020.02.26 22:06
三井不動産(東京都中央区)は今月18日、「賃貸ラボ&オフィス」の第二弾となる「(仮称)三井リンクラボ新木場」を着工した。同社が新築する初の「賃貸ラボ&オフィス」となり、竣工は2021年4月を予定している。
「賃貸ラボ&オフィス」は、本格的なウェットラボとオフィスが一体化した施設の賃貸事業。実際の薬品や装置を用いて実験ができる研究室(ウェットラボ)をオフィスに併設し、化学系のベンチャーや研究機関のプロジェクトチームなどをターゲットとする。三井不動産では、「都心近接地における賃貸ラボ施設」、「オープンイノベーションの創出」、「都心近接地の充実した研究環境」の3つをコンセプトに「三井のラボ&オフィス」事業として展開していく予定。第一弾となる「三井リンクラボ葛西」は第一三共(東京都中央区)の研究センター内に開設しており、今春から本格稼働を予定している。
また三井不動産では、ライフサイエンス分野の企業や研究機関の共創を目的に設立されたライフサイエンス・イノベーション・ネットワーク・ジャパン(東京都中央区、LINK‐J)とも連携。LINK‐Jが日本橋で構築してきたネットワークをラボ施設でも展開し、異業種を含めた様々なプレイヤーが集めることでオープンイノベーションの創出に貢献するとしている。将来的には各拠点間のネットワーク化を図り、同社が製薬などの化学系企業向けに展開している「ライフサイエンスビル」の集積地である日本橋と、葛西、新木場を結び、研究開発環境における日本型エコシステムの形成を図る。
「(仮称)三井リンクラボ新木場」は敷地面積3300㎡、延床面積1万1169㎡、総貸付面積7865㎡の建物。共用施設としてコミュニケーションラウンジ、エントランス、共通実験機器室、会議室などを設置する予定。ウェットラボは、世界保険機構が制定した実験室バイオセーフティ指針「BSL2」に対応。細菌やウイルス、微生物などの感染する可能性のある病原体のうち、「疾患を起こす可能性があるが重大な災害となる可能性のない病原体」を取り扱うことができる。
また「新木場」駅が徒歩圏にあり、交通のハブである「東京」駅や羽田空港および東京都心部へのアクセスに優れる。職住近接を可能にすることで働き方改革の実現にも寄与し、生活と研究を両立できる環境を提供する。従来のラボ&オフィスと比較して優れた交通利便性を生かし、大学・医療機関・異業種などとのコラボレーションを活発化させてオープンイノベーションの創出に貢献するとしている。