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大和ハウス工業 「耐火被覆吹付ロボット」を実工事に初導入
2021.01.12 11:41
大和ハウス工業(大阪市北区)は5日、鉄骨の柱や梁をロックウール・モルタルで耐火被覆吹付するロボットを、建設現場(神奈川県横浜市)の実工事に初めて導入したと発表した。
同社は、2017年5月から鉄骨の耐火被覆吹付を自動化する開発に着手。2018年4月に実証実験を行い、継続して性能の向上を図っている。
今回完成した「耐火被覆吹付ロボット」は、産業用ロボットアームの位置や走行台車のタイヤの改善、昇降台車の構造の改良のほか、BIMと連動させることを想定。同ロボットを使用することで、作業全体に要する時間を約30%削減できるという。
大きな特長は4つある。1つ目は、ロボットアームの配置方向を横向きに設置し吹付範囲を拡大。柱の最下部など、ロボットでは吹付が困難とされていた部分にもロボットアームが届くよう改良した。
2つ目は、走行台車の車輪に「メカナムホイール」を採用。縦・横・斜めなど全方向への移動を可能にし、移動誤差も数センチ以内に納めた。
3つ目は、パンタグラフ式昇降台車により吹付可能高さ7mを実現。試作機では吹付可能高さ4mだったが、上昇用シリンダーを縦に設置することで3mアップさせた。
4つ目は、図面データを用いて経路計画を作成し、数センチの誤差で吹付位置の調整ができるようにした。同ロボットは、図面データにある柱と梁などの部材の大きさや柱の距離等の情報から、吹付に必要な経路計画を自動で作成。また、必要なデータ入力項目を削減するため、BIMと連動させることを想定した仕様に改良した。
今後は働き方改革の一環として同ロボットの複数現場への導入を目指し、さらなる改善や改良、運用体制の検討を進める。