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不動産業界の社会問題解決へ 空き家・再建不可物件等を再生 「負動産何でも買取サービス」を軸に

2021.02.08 12:05

 高齢化・人口減少が進む中で、空き家等の「負動産」を再生し流通させていくことは社会的な課題ともなっている。所有者の多様な悩みに応えられる、あらゆる「負動産」の解決を目指すサービスが立ち上がった。

 ドリームプランニング(横浜市中区)では1月18日「負動産何でも買取サービス」を開始した。
 同社では不動産お悩み解決サイト「URU HOME」を展開。これまでも売るに売れない「負動産」を所有するオーナーに対し、自社で購入して再生してきた。代表取締役の高橋樹人氏は2代目で、父である先代社長の時代から底地や再建築不可、傾斜地などの物件を取り扱い、再生に導いてきたという。
 これまで手掛けてきた実績も豊富だ。たとえば、横浜市保土ヶ谷区の物件は再建不可かつ傾斜地に、経年劣化した2階建ての家(事例(1))だった。もとのオーナーは他の不動産会社に相談するも解決策が見つからず、ドリームプランニングが引き受けることになった。ここは私道所有者の権利関係をまとめて再び市場に流通させることに成功した。
 また西区久保町(事例(2))は地代の滞納があった底地。同社が底地を購入後、借地人と交渉して借地権も購入。更地にして戸建て分譲会社に売却した。
 このような案件を手掛ける不動産会社は限られる。手間がかかることも多いからだ。手掛けているような事業者でも再建不可、あるいは山林など専門特化の事業者がほとんど。同社のようにあらゆる「負動産」を手掛けるケースは珍しい。高橋氏はこのようなあらゆる「負動産」を手掛けられることを生かして、不動産所有者が抱える悩みを解決できるパートナーを目指していく構えだ。
 「たとえば空き家問題は不動産業界が抱える課題のひとつです。この問題は数年前からクローズアップされるようになりましたが、業界全体で取り組んでいく意識はまだ醸成される途上だと思います。というのも、すでに3・5人に1人が65歳以上の高齢者になっていますが、その一方で新築住宅着工数は米国より約2倍です。他方、再生や活用ができていない、いわゆる再建不可や市街化区域外など建替えのハードルが高い、問題を抱えている物件は全体の3割超にのぼっています。空き家を含めた、再生できる不動産を流通させていくことが必要なのではないでしょうか」(高橋氏)
 同社ではこれらのような様々な「負動産」を取り扱えるほかに、自社で再生に向けたプランニングや施工なども行える。神奈川区羽沢南の案件(事例(3))では高橋氏自身がセルフリフォームを実施。その様子を「URU HOME」内でも公開している。
 全国で課題を抱える不動産は山積している。同社が手掛ける「負動産何でも買取サービス」は現状1都3県に特化するが、「ゆくゆくは全国に広めていき、課題を解決していきたい」(高橋氏)と意欲を示した。




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