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「名古屋三井ビルディング北館」竣工
2021.02.08 12:00
三井不動産(東京都中央区)が愛知県名古屋市中村区名駅四丁目で開発を推進中していた「名古屋三井ビルディング北館」が先月31日に竣工した。
同ビルは、延床面積2万9450㎡、敷地面積2248㎡、S造一部SRC造、地上20階地下2階。環境配慮型のオフィスと商業施設で構成される複合施設となる。名古屋最大のビジネス地区である名駅地区に位置し、「名古屋」駅と地下街直結で徒歩4分以内という希少性の高い立地にある。
3階および5~19階のオフィスエリアは、1フロア約1000㎡でガラス面を広くとった開放的な事務室空間に加え、一部のフロアには貸室内から直接アクセスし新鮮な外気でリフレッシュできるバルコニーも設置。窓際には「アクティブペリメーター」と名付けた、多目的な使用を想定したエリアも設けた。
最上階の20階には、オフィスワーカー専用の共用エリアであるリフレッシュガーデン「キタソラ」を配置。オフィスでもなく自宅でもない「サードプレイス」として、都心の真ん中で緑に囲まれ空を見ながら、Wi-Fiが整備された開放的な空間の中で憩い働く環境を提供する。アイランドキッチンを配備し、貸切にすることで社内懇親会を行うことができるなど多様なコミュニケーションの促進も支援する。
12~13階には、同社が法人向けに展開するシェアオフィス「ワークスタイリング名古屋」がサービスを拡充し今月26日にオープンする。
災害時の対策として、オフィス専用部では、15VA/㎡の電気供給を72時間行うことができる非常用発電機を設置するだけでなく、地震後10分以内に各階の被害を判定する建物被災度判定システムを採用。また、水害発生による浸水対策として、電気室などの重要施設を4階以上に設置している。
商業エリアは、地下1階から地上2階で構成され、約13店舗となる予定。地下1階は旧「新名フード地下街」とデザイン的に融合し、新名称「キタチカ」としてデビューする。
1~2階は、ラグジュアリーブランド「GUCCI」の名古屋2店舗目のフラッグシップショップが3月下旬にオープン予定。2階は、「SHISEIDO」を冠するビューティ&リラクゼーションサロン「資生堂ビューティサロン名古屋店」が、今秋にオープン予定。「キタチカ」には、旧「新名フード地下街」の既存店舗に加え、「カフェ・ド・クリエ」が7月にオープンする予定。
地上では歩行者に配慮し空地を設け樹木を配するなど、都心部に潤いを提供する。また高遮熱断熱Low-e複層ガラスの採用による熱負荷の低減やLED照明の採用による消費電力低減、ロビーに愛知県産杉材を積極的に活用するなど、地球環境だけでなく地産地消にも配慮した。