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JR西日本不動産開発初の賃貸ラボ施設「(仮称)建都イノベーションパークNKビル」着工

2021.02.08 11:54

北大阪健康医療年に2022年春開業目指す
 JR西日本不動産開発(大阪市北区)は、北大阪健康医療都市(健都)内に所在する「健都イノベーションパーク」で、ラボ及びオフィスの複合施設「(仮称)健都イノベーションパークNKビル」の本体工事に着工した。2022年春の開業を目指す。
 同施設は、敷地面積約4430㎡、延床面積約9140㎡、鉄骨造7階建ての複合施設。移転が決定している国立健康・栄養研究所の入居に加え、健都が目指す「健康・医療のまちづくり」において、企業等の進出や交流を促進する機能を担う施設として、ウェットラボにも対応した賃貸ラボ・オフィスや、京都リサーチパーク(京都市下京区)が運営するシェアラボを整備する。
 賃貸ラボ・オフィスは専用区画を入居者に賃貸する形態とし、施設の3階の一部と5階~7階に配置する予定。区画の面積は、最小約20坪から大小さまざまな規模に対応できる。同施設で可能な実験レベルはBSL2で、危険性のある細菌やウイルス以外の微生物などを扱う実験ができる。
 同施設4階に設置する予定の「Turnkey Lab(ターンキーラボ)」は、研究に必要な実験機器や備品をあらかじめ整備し、日常業務・研究・事業サポート等のソフトサービスを付加させたレンタルラボ。ドラフトチャンバーや遠心分離機などの実験器具を備えるほか、機器メンテナンスや廃棄物処理などのサービスも実施する。「ドアを開けてすぐに研究に取り組めるという意味を込めて」ターンキーラボと名付けており、1名から利用できる実験台のベンチ貸しから、複数名向けの個室スペースも併設し、起業間もない人から、事業が軌道にのりだした人などのニーズに対応できる。
 これら賃貸ラボ・オフィスは、健都に進出を計画する企業だけではなく、ベンチャー企業やスタートアップを目指す研究者・学生等といった多様なニーズにも対応した研究開発環境を提供する同社初の事業。
 さらに、同施設1階には、共用の交流ラウンジを配置し、入居者間の交流を促す機会の創出や健都での取組を発信する広報活動などを実施することで、健都が目指すオープンイノベーションの実現、健康関連産業等との連携を創出・促進する拠点の形成に貢献する。




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