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オフィス仲介のメニューにシェアオフィスも ユースラッシュがサポートを開始

2021.03.01 11:34

導入第1号は三幸エステート
 コロナ禍でオフィスの選択肢が広がっている。有力な選択肢として台頭するのがレンタルオフィスやシェアオフィスなどだ。IT企業が本社オフィスとして構えたり、大企業もサテライトオフィスとして使用する動きが加速。大手仲介会社もこれらの新しいオフィスの仲介に着手し始めた。

 ユースラッシュ(東京都目黒区)の運営するシェアオフィスのマッチングプラットフォーム「JUST FIT OFFICE」では2月16日より「仲介会社向け提案サポートサービス」を開始した。また同日より、事業用仲介大手の三幸エステート(東京都中央区)が同サービスの利用を開始した。
 これまでオフィス仲介会社にとって、どのエリアにどのようなフレキシブルオフィスがあるか把握しづらかった。賃料や空室状況を調べるにはそれぞれの施設の運営会社に連絡しなければならず、営業効率が非常に悪かった。  一方、フレキシブルオフィスの運営会社にとっても仲介会社とのリレーションがなく、オフィステナントを紹介してもらいたくても関係性をどのように構築すればよいかわからない状況だった。
 ユースラッシュが運営する「JUST FIT OFFICE」では国内600施設以上のリアルタイムの空室状況や賃料などの情報を保有する。これを生かして今回の「仲介会社向け提案サポートサービス」では仲介会社、フレキシブルオフィス運営会社の双方のニーズをマッチさせる。
 「仲介向け提案サポートサービス」では仲介会社専用の「JUST FIT OFFICE」検索サイトからオフィスの検索・一覧資料の作成・ダウンロードを一括して行うことができる。手軽にクライアントの要望にあったオフィスを検索することが可能だ。また希望と該当するフレキシブルオフィスの連絡先一覧もダウンロードでき、オフィスとのやり取りをスムーズに行うことができる。
 サービス開始日に導入となった三幸エステート。これまでもクライアント向けのサービスとしてオフィス情報に加えて、フレキシブルオフィスの情報を提供できる体制作りも行ってきた。その一環で今回のサービス導入に至ったという。
 フレキシブルオフィスへの需要は新型コロナ感染症の影響によって拡大した。同社企画室長の佐藤和浩氏は「働き方改革で働き方改革が進むにつれニーズが増え、コロナで加速しました。現状はオフィス、自宅のプラスアルファでシェアオフィスを検討されています」と話す。IT系のベンチャーが本社として使用するケースのほかに、大手企業がサテライトオフィスとして使用する事例もある。
 佐藤氏はフレキシブルオフィスの需要について「従来のオフィスと並行して比較検討する案件が増えていきそうです」と答える。そのうえで「単にどちらかの選択よりも双方をうまく組み合わせることでそれぞれの利点を生かしながら併用される、ハイブリッドオフィスが一般的になるのではないでしょうか」と指摘した。
 ユースラッシュは今後、順次全国の仲介会社への導入拡大を目指す。代表取締役の内山裕規氏は「料金体系が導入しやすい成果報酬型という事もあり、サービス発表後、複数の仲介会社様から問合せをいただいている」と明かす。オフィスの選択肢は増えていきそうだ。




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