週刊ビル経営・今週の注目記事
毎週月曜日更新
野村不動産 「H1O」に木質ハイブリッド構造を採用
2021.03.15 11:10
野村不動産(東京都新宿区)の小規模オフィスビルブランド「H1O(エイチワンオー)」の主要構造部に、木造ハイブリッド構造が導入される。
「H1O」シリーズは、従業員10名未満の小規模オフィスマーケットのニーズに対応したオフィスビルブランド。2022年10月開業予定の同シリーズ第12号物件「H1O外苑前」で主要構造部への木造ハイブリッド構造を採用するのを皮切りに、主要構造部への木造ハイブリッド構造の導入を開始する。同ビルは、主要構造部の柱・梁の一部に木造ハイブリッドを採用している中高層オフィスビルとして初の竣工となる予定。
木造ハイブリッド構造はこれまで、耐震・耐火の観点と建築コストの観点から、中高層オフィスビルでは採用しづらかった。しかし野村不動産では、気候変動・地球温暖化をはじめとする環境問題への社会的関心の高まりから同構造の採用を実現させた。
「H1O外苑前」は野村不動産が建築主として事業企画及び設計を、熊谷組(東京都新宿区)が2017年に業務・資本提携した住友林業(東京都千代田区)の木に関する知見を活用し、共同設計を行う。木質耐火部材の大臣認定を取得した「λ-WOOD(ラムダウッド)」の使用による中高層オフィスビルの柱・梁一部の木造化によって、建築時のCO2排出量約21tの削減と、木材が成長段階で吸収するCO2約19tの固定を実現。今回の木造ハイブリッド採用によるCO2固定量は、計画地(453㎡)と同等の面積に杉を植栽した場合のCO2吸収量約50年分に相当するという。
「H1O外苑前」は地上7階。2022年8月の竣工を予定している。