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「多摩川団地」を分譲マンションに建替え マンション建替法に基づき住不・長谷工などが参画
2021.05.31 11:09
東京都調布市の「多摩川団地」が分譲マンションに建替えられる。
多摩川住宅ホ号棟マンション建替組合は25日、東京都調布市染地三丁目において推進している「多摩川住宅ホ号棟マンション建替事業」について、調布市の組合設立認可を受けマンション建替組合が設立されたと発表した。
「多摩川住宅」は、1968年竣工の東京都住宅供給公社が手掛けた初の大規模団地。高度経済成長期における東京の人口増による住宅不足を解消するため、東京都調布市と狛江市にまたがる約50haの広大な田園地帯に建設された。敷地内には約1800戸の賃貸住宅と約2100戸の分譲住宅からなる約3900戸の中層マンションが建ち並び、商業施設や公園、野球場・テニスコート等の運動施設や幼稚園・小中学校などの教育施設も整備されている。
団地内に立つ「ホ号棟」は鉄筋コンクリート造地上5階の建物11棟、計380戸からなり、これを鉄筋コンクリート造地上12階の建物7棟、計910戸のマンションに建替えられる。コミュニティー街路や公園・広場の整備、歩道状の空地なども外周部に設けられる、多摩川沿いの緑溢れる良好な環境を継承し、防災性および住環境も向上させる計画となっている。
また、長期優良住宅認定のマンションであるとともにCASBEE建築の認証申請も予定され、環境に配慮した建築物として2025年の竣工を予定。
「ホ号棟」はマンション建替え円滑化法に基づく許可を受け、2015年11月から事業協力者として住友不動産(東京都新宿区)と長谷工コーポレーション(東京都港区)が選定され、コンサルタントのシティコンサルタンツ(東京都新宿区)と共に行政協議や全権利者との合意形成活動を行ってきた。今回の組合設立を受け、住友不動産と長谷工コーポレーションは参加組合員として参画する。
建替組合と参画企業各社は、多世代が住み続けられ、防災に強く、環境に優しい街づくりとなるよう事業を進めて行くとしている。