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AI技術活用の土地活用シミュレーター 電気通信大学と共同開発 今秋よりサービス販売開始へ
2021.06.07 11:24
タスキ(東京都港区)は不動産テックを活用した新築投資用IoTレジデンスの企画開発を行っている。同社は電気通信大学(東京都調布市)教授の坂本真樹研究室と産学共同で開発する、AI技術を活用した土地活用シミュレーター「TOUCH & PLAN」のビジネスモデルの特許出願を行った。自社での活用を進めたうえで、今秋より外部へのサービス提供を開始する予定だ。同サービスは設計士や不動産鑑定士が手作業でおこなう業務を効率化するソフトウェアサービスとして、「SaaS型」で提供していく。
「TOUCH & PLAN」はスマートフォンで地図上の計画地をタッチするだけで、その土地の不動産価値が瞬時に見える建築プラン・事業収支作成プラットフォームだ。AIが土地情報を収集して解析し、計画地の最適な建築プランを作成。その建築プランに沿った賃料や売却査定、事業収支も算出することができる。
同社が構想したのは約3年前のこと。自社で活用したいサービスとして、社員から出てきたアイデアだった。
代表取締役社長の村田浩司氏は「従来の足で情報を収集していくだけでは、資金、人の双方のコストが重かった」と話す。開発を進めているシミュレーターを利用することで「たとえば建築プランを月50件作成している場合、年間で7000万円のコスト削減効果がある」という。
特許出願を行ったことを伝えるリリースにて公表となった「TOUCH & PLAN」。まだサービス販売は行っていないが、すでに「上場不動産会社や不動産仲介企業、収益不動産を保有する保険会社などから、予想以上問い合わせが来ています」と明かす。外部への販売を行っていくうえで最初の目標を「2500社での導入」と掲げているが、「早い段階で到達できるのでは」と見込んでいる。
作成される建築プランは将来的にはオフィスビルや店舗物件にも対応していく。月額10万円から利用することができるため、業界の幅広い企業での導入を推進していく。