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「田町 M-SQUARE Garden」着工
2021.08.10 11:46
三井不動産(東京都中央区)は、東京都港区芝五丁目における新築オフィスビル計画の名称を「田町 M-SQUARE Garden」に決定し、今月2日に着工した。竣工は2022年10月を予定している。
三井不動産はオフィスビル「M-SQUARE」シリーズの開発を推進してきたが、同ビルは、「M-SQUARE」の充実した設備スペックやBCP機能に加え、今後「ZEB Ready」認証の取得、多様な働き方が可能となる屋外広場や開放的な共用ラウンジの整備、コロナ時代に向けた最新技術の導入などにより、環境への配慮とワーカーが快適かつ安心・安全に働くことのできるオフィス空間を提供するとしている。
立地は、JR「田町」駅から徒歩3分、都営地下鉄「三田」駅から徒歩2分というアクセス性の高い場所に位置する。JR「田町」駅からは新幹線やリニア発着予定のJR「品川」駅へのアクセスに優れ、都営地下鉄「三田」駅からは乗り換えなしで羽田空港へアクセスすることが可能。また、同ビルは高潮や津波による被害を受けにくい場所に位置し、液状化の程度、危険度が共に低いことが地盤調査により明らかになっている。
同ビルは敷地面積1790㎡、延床面積約9920㎡、S造地上11階建てのオフィスビル。外装デザインは成長企業の個性と多様性を表現した特徴的なデザインを採用。また、商店街や近隣建物との調和を図り、緑豊かな広場と一体となった、温かみのある色調。さらに、窓面をハイサッシとすることで執務空間における開放感を演出しながら、開口面積を適正なレベルに抑えることで、専有部内の空調負荷低減を行っている。
オフィス基準階専有面積は約730㎡、整形無柱の執務空間を確保し、効率の良いレイアウトが可能な快適で開放感のある空間。また、天井仕様はスケルトンで、天井を設置する場合は天井高2800~3200mm。「ラボスペースのような、開放的でクリエイティブな空間を提供する」としている。
1階には広場と大きなガラスの引き戸で繋がり、オープンで心地の良い共用ラウンジ「Park Lounge」を整備。ラウンジ内には様々なシーンに合わせて自由に利用できる多彩なファニチャーを配置し、社内外の打ち合わせや個人ワークも可能。また、共用ラウンジに隣接して商業区画を計画することで、連続した賑わい空間を創出。
最上階11階には、テナントワーカー限定のカフェスペース「Sky Lounge」を整備。東京タワーを望む屋外空間と一体的になった開放的でリフレッシュできる空間で、打ち合わせやワーカー同士の懇親など、専有部以外のサードプレイスとして様々なシーンでの利用が可能。
またビル東側には敷地面積の約3割を占める約500㎡の広場空間を整備。広場の大部分を緑化し、仕事や休憩のできるファニチャーを配置することで、オフィスワーカーが快適に過ごせる場を創出する。また、キッチンカーの乗り入れ場所の確保や、イベント時の共用ラウンジとの一体利用など、賑わい創出につながる空間設計となっている。
ビル内は災害時に備えた72時間対応の非常用発電機等の対策を実施し、安心して働けるオフィス空間を提供、企業のBCPをサポートする。また新型コロナウイルスの感染ルートである「飛沫感染」、「エアロゾル感染」、「接触感染」の感染メカニズムに着目し、それぞれの感染ルートに効果的な施策に取り組む。接触感染対策として非接触式エレベーターを導入。エレベーター内の行き先階・乗場上下階ボタンを赤外線ビーム式にし、ビルのエントランスから専有部入口までの共用部入館導線を非接触化する。エアロゾル感染対策として、専有部の空調機に飛沫・飛沫核の捕集率約90%のフィルターを設置。接触感染対策として、トイレの金具など多くの人が接触する箇所に抗菌部材を使用することで、ビル内の対策を徹底する。