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清水建設の賃貸オフィスビル「メブクス豊洲」竣工 街区開発のカギに
2021.09.06 11:58
清水建設(東京都中央区)が東京・豊洲地区で開発を進めている「(仮称)豊洲六丁目4-2・3街区プロジェクト」の開発区域内で今月1日、大規模賃貸オフィスビル「メブクス豊洲」が竣工した。10月下旬からテナント企業の入居が始まる。
建物は敷地面積1万6110㎡、延床面積8万8000㎡、地上12階塔屋1階。1階が店舗・駐車場・交通広場、2階が店舗・オフィスエントランスホール・広場状デッキ、3~11階がオフィススペース、12階が屋上庭園となっている。
建設地は「東京」駅から4km圏内に位置し、東京臨海新交通臨海線(ゆりかもめ)「市場前」駅と隣接するほか、首都高速道路「豊洲」ICにも近接している。
オフィス施設として「多様性・機能性・快適性」を追求し、テナント企業が自ら新しいワークプレイスを創出できるオフィス環境を提供。1フロア約2000坪の専有部は、広範なヘビーデューティーゾーンや給排水対応スペースを備えており、フレキシブルなレイアウトが可能。また、3階、9階、11階は天井高を3・5m、11階の一部は天井高6・0mとし、研究開発施設、テストキッチン、ショールーム、スタジオなど多様な利用方法に応える設えとしている。各フロアの外周にはバルコニーを配置し、仕事の合間にいつでも眺望、自然光、風を感じられる快適な執務環境を創出している。
また、フロア中央の共用部はやわらかな自然光が降り注ぐアトリウムとなっており、解放感に溢れた空間内にワーカーの交流の場となるコミュニケーションカウンターやコラボレーションスペースを配置している。最上階の屋上庭園にはベンチやパントリーを設えており、憩いの場や屋外ワークプレイスとして利用できる。
一方、「メブクス豊洲」の運用面での特長は、建物内の建築設備やIoTデバイス、各種アプリケーションを容易に相互連携できる建物オペレーティングシステム「DX-Core」を実装していること。施設稼働後、同システムのデジタルプラットフォーム機能を活用し、館内施設の混雑状況確認や会議室予約などオフィスワーカーの生産性・利便性向上に資する先進的サービスを、専用ポータルサイトを介して提供する。同システムはサービスのバージョンアップにも容易に対応できるため、時代やニーズの変化を踏まえて提供サービスをアップデートしていく予定。
同街区では2022年春に、共立メンテナンス(東京都千代田区)が運営するアーバンリゾートホテル「ラビスタ東京ベイ」、街区中央の交通広場のバスターミナル機能を核とした都市型道の駅「豊洲MiCHiの駅」の開業を予定している。
清水建設では、再開発街区全体を「ミチノテラス豊洲」と命名。多様な機能を集積させ、快適で活力に満ちたQOL(Quality of Life)の高い新たな街づくりに取り組む構えだ。