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新生インベストメント&ファイナンス 不動産を次代に残す「資産承継ローン」を発表
2021.09.06 11:45
新生銀行グループの新生インベストメント&ファイナンス(東京都千代田区)は、資産承継における課題解決を目的とした「資産承継ローン」を商品化。8月6日より取り扱いを開始した。
この「資産承継ローン」は、負債の整理や相続対策、老後資金の確保といった不動産所有者が抱える課題に対して、資産を承継する親族などを対象に法人を活用した資産承継型不動産売買のための不動産購入資金を提供するというもの。同社では社会の高齢化に加え、企業の高齢化、不動産の高齢化という3つの高齢化が進んでいる中で、長年にわたり主に首都圏の不動産を対象とした不動産担保ローンを取り扱い、不動産評価に関するノウハウを蓄積してきた経験を生かし、サステナブルな社会に貢献できる不動産ファイナンスサービスを提供する一環として、今回の「資産承継ローン」の商品化を実施した。
商品の活用例としては、上記のような課題を抱えた不動産所有者が売主となり、買主となる親族などへ不動産を売却。その際に同社が買主に対して不動産の購入資金として融資を実行する。買主と売主は売買取引をした不動産の賃貸借契約を締結し、買主は毎月の返済を家賃収入から充てることになる。担保不動産は自宅のほか事業用の賃貸物件でも対応可能で、首都圏のほか大阪・名古屋・福岡といった主要都市が対象エリアとなっている。融資額は300万円~10億円(1物件あたり上限5億円)、返済期間は最長35年である。同社プロパティ営業部リテールチームの中西康輔氏は商品の特徴について「資産管理を行う法人に不動産を売却することで事業会社と資産管理会社の整理を行い、リスクを不動産担保に集約することができます。代表者の個人保証は原則不要で、スムーズな資産承継の実現することが可能です」と述べる。
保有資産の売買取引を通じて資金調達を行う手法としては、セールス&リースバックやリバースモーゲージが挙げられる。前者は保有する不動産などの資産をリース会社に売却してリース物件として賃借するという手法で、後者は自宅を担保に借入を行い所有者の死亡後に不動産を処分して借入金を返済するという手法だ。同社の「資産承継ローン」はセールス&リースバックと比較すると、第三者への所有権移転がなく親族など関係者で所有権を維持することができ、ローンを返済すれば不動産が手元に残るというメリットがある。また、リバースモーゲージと比較した場合には資産承継人に対して資産を残すことができ、より高額な資金調達にも対応することができる点に優位性があるといえる。中西氏によれば、同社顧客の7割以上は既存顧客からの紹介などによる新規顧客で占められており、今後は商品紹介を充実させたホームページを通じての訴求にも注力していく考えだという。