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戸田建設が建設中の「新TODAビル」日本初建物全体でのZEB Ready取得
2021.09.13 12:15
戸田建設(東京都中央区)は、東京都中央区京橋にて建設中の新社屋「新TODAビル」において、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)による建築物全体評価にて最高ランクである★5つ及び「ZEB Ready」認証を今月6日付で取得した。
なお、超高層複合用途ビルにおける建物全体での「ZEB Ready」認証取得は日本初となる。
同認証取得に向けた建築的取り組みとしては、外壁の大部分を占める基準階外周部において、1・8mピッチで大小の縦フィンを配置すると共に、南北にはバルコニー・庇を設ける事により、日射負荷抑制を図っている。また、高性能Low―E複層ガラスの採用・上下別動制御の電動ブラインドの採用等により、外皮負荷低減と、有効受光の両立を図っている。
同認証取得に向けた設備的取り組みとしては、コージェネレーション設備700kW×2台を設置、常用電力供給とともにその廃熱を吸収式熱源機熱源、熱交換器温水熱源、職域食堂(13階)の給湯に利用し、熱の高効率運用を行っている。また、屋上に水素蓄電設備を併用した太陽光発電パネル50kWを配置し自然エネルギーの取込みとその有効配電を実現している。
その他の設備においても高効率機器を多数採用し、換気における全熱交換器の導入・インバーターによる適時適量制御の導入により根本的な消費エネルギーの大幅な削減を図っている。
同ビルは、事務室系統の潜顕分離空調システム等認証取得時の数値には反映されない、未評価技術も多数採用。実運用では、今回の「ZEB Ready」認証取得数値を更に上回る削減量が達成可能と考えられている。
同計画は、都市再生特別地区京橋一丁目東地区として2016年3月に都市計画決定を受け、「まちに開かれた、芸術・文化拠点の形成」「街区再編、防災対応力の強化、環境負荷低減」を目指した超高層複合用途ビル。
同ビルは敷地面積6147・44㎡、延床面積約9万4800㎡、建築面積約4680㎡、RC造(コアウォール構造)、S造・CFT造・SRC造・免震構造、地上28階地下3階の建物。
芸術・文化拠点の形成として、低層部の1階に店舗兼情報発信施設、3階に若手芸術家の育成創作活動拠点、4、5階に情報発信施設としてのカンファレンス機能(大ホール380人規模・小ホール220人規模)、6階に美術館(約1200㎡のギャラリー空間)を有している。
8階から上部は、1フロア当たり、約2400㎡の事務所用途となっている。
省エネルギー技術に限らず、同ビルではコアウォール免震構造を採用し、非常に高い安心安全を提供。また、72時間の機能維持可能な非常用発電機の他にコージェネレーション設備を有する事により、高いBCPを有している。