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清水建設が設計・施工、世界選手権仕様の自転車競技場

2021.09.13 11:58

 清水建設(東京都中央区)の設計施工により竣工した、約1万㎡、重量約1000tの大屋根(長辺116m×短辺93m)を備えた「千葉JPFドーム」が10月2日より供用開始となる。新たな構造形式「リングシェルR(単層張弦ドーム構造)」で設計した個性的なデザインの大屋根は、無柱の大空間としては千葉県内では最大のものだ。
 同施設は「千葉公園活性化の先駆け」となる施設として、千葉競輪場の跡地に計画された大規模なベロドローム(自転車競技施設)。約2500席の観客席を備え、周長250mの木製トラックは世界選手権仕様になっている。
 設計上の特徴は、個性的なデザインのドーム大屋根をシンプルな鉄骨構造で表現していること。大屋根は直径198mの球の表面を楕円に切り取った形状をしており、薄く軽やかなつくりで観客席と木製トラックを包み込み、一体感のある内部空間を演出している。また、膨らみ(高さ)を抑えることで公園に融け込み、周辺施設と調和している。
 この大屋根を実現するために、同社は新たな構造形式「リングシェル」を考案した。その特徴は、単層の鉄骨トラスで楕円形かつドーム状の大屋根の骨組を構成していること。72本のケーブルが鉄骨トラスの外周部と大屋根中央下部に設けた直径84mの鋼製リングを放射状に連結しており、緊張されたケーブルにより鉄骨トラスが外側に広がる力を低減し、大屋根の骨組トラスを構造的に完結・独立させている。
 同社は引き続き、施工性、経済性が一層優れた無柱大空間を実現するための技術開発に取り組み、シンボリックなドーム施設の受注を目指すとしている。




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